ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2009.01.13]

名倉ジャズダンススタジオ「Can't Stop Dancin' 2008」

  2年に1回開催されている「Can't Stop Dancin' 2008」は、名倉ジャズダンススタジオ第18回公演として行われた。今回のゲストは、『ベルサイユのバラ』のオスカル役や『風と共に去りぬ』スカーレッ ト・オハラ役などを演じた元タカラジェンヌの順みつき。
プログラムは2部構成でPart I は「Soul IN Music」。
オープニングはこの名倉公演ではもうお馴染みの、三木雄馬と松岡宏が踊った。さらに清水フヒトが正義感あふれる青年を踊った「かげろう」には、桑原文生、佐藤洋介なども踊る。
宮川泰が音楽構成をしている『疑惑』は、20年ぶりに名倉加代子が須山邦明と共に踊った。舞台の壁面に格子模様の照明をあて、大きなシャドウなども使っ て、1枚の手紙をきっかけに起るカップルの心理的波紋を、陰影をつけて描いた。名倉の細やかで明快な表現力はさすが。
12年前に堀内充のために振付けたという『死の舞踏』は、三木雄馬とアンサンブル。ヴァイオリンの弓を手に、死と美の相克を描いた作品だが、群舞の迫力と三木雄馬のキレのいい踊りが鮮やかだった。
『Soul Of Derbyhat』は、ジャズダンスには欠かすことの出来ないダービーハットに敬意を表した作品だそうだ。5人ずつ三つのグループに別れて、黒いハットを 次々と踊り継いで行く。そして「パガニーニの主題による狂詩曲」へと黒いハットは続き、最後は祈りにもしたシーンとなった。

 Part II は「Just Jazz」。
「Sing Sing Sing」にのせて、『ゲーテ・パリジェンヌ』のようなレストランを舞台としたダンスが始まる。銀色のお盆を手にしたウエイトレスたちの踊りから、スリッ トの入った黒いドレスのマダムがムードたっぷりのセクシー・ダンスを見せ、赤をアクセントにした男性の濃厚なダンスなどが次々と踊られていく。こういった ダンスシーンが、じつにエッジの利いたコントラストを際立たせながら展開していく。そしてどんなにセクシーなダンスでもさらっと見せるところが名倉流の洗 練である。
「S.T.Louis Blues」では、黒い衣裳の男性ダンサーを従え、白いスーツに縞模様の飾りを着けた名倉が踊る都会的でソウルフルなダンスが披露された。
そして順みつきの歌と迫りを使った迫力満点の大群舞から、再び「Sing Sing Sing」にのせて踊るフィナーレへ。男性は黒、女性はブルーの衣裳が見事だった。
カーテンコールでも踊り、踊り、踊りが続き、今宵、青山劇場はいつ果てるともない不夜城となった。
(2008年12月11日 青山劇場)