彩の国さいたま芸術劇場が2026年度のラインナップを発表

ワールドレポート/東京

小野寺 悦子 Text by Etsuko Onodera

彩の国さいたま芸術劇場の2026年度ラインナップが決定。芸術監督の近藤良平により、シーズン・プログラムが発表された。「ダンスの埼玉」を標榜するだけあり、2026年度も充実のダンス公演が揃う。

コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』(6月)

1996年に結成し、今年30周年を迎えるコンドルズ。主宰の近藤良平を筆頭に、男たちがトレードマークの学ランに身を包み、踊り、ステージいっぱいに駆け巡る。その熱いパフォーマンスで日本コンテンポラリーダンス界をリードし、時を超え支持を集めてきた。
「さいたま公演は19回目。こんなに続いているカンパニーは世にありません。『ALL YOU NEED IS LOVE』という非常に直球な作品を作ろうと思います。ぜひコンドルズの愛を感じてください」(近藤)
今回は新作シリーズ第19弾として『ALL YOU NEED IS LOVE』を発表し、30年というこの大きな節目を賑やかに飾る。

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コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』 Photo. HARU

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、ラドワン・ムリジガ ローザス、アトラファイブ『和声と創意の試み』(6月)

ベルギーを拠点に世界的活躍を続けるアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いるローザスが、16年ぶりに彩の国さいたま芸術劇場に登場。ケースマイケルは昨年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞し、会見時に来日公演の予定があると言及していたが、その詳細が明かされた形だ。
「ローザスはコンテンポラリー・ダンスの歴史の中でも非常に大事な位置付けがあり、それを久しぶりに見ることができる」(近藤)
ケースマイケルがラドワン・ムリジガとタッグを組み、創作したのが『和声と創意の試み』。ムリジガはケースマイケルのダンス学校P.A.R.T.S.で研鑽を積んだ気鋭の振付家で、2019年にアトラファイブを設立。『和声と創意の試み』は2020年の『3IRD5 @ W9RK』に続くケースマイケルとの協働となり、2024年5月にブリュッセルのローザス・パフォーマンス・スペースで世界初演を迎えている。
ケースマイケルが長年温めてきたヴィヴァルディ《四季》に挑み、4人のダンサーが踊る。それは四季が消滅しつつある地球環境への詩的な問いかけでもあるという。ケースマイケルの現在地を示す話題作が、いよいよ日本初上陸を果たす。

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ローザス、アトラファイブ『和声と創意の試み』Photo. Anne Van Aerschot

ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』(10月)

ホフェッシュ・シェクター・カンパニーが、『Theatre of Dreams』を引っさげ来日。12名のダンサーと3名の音楽家がぶつかり合う、彼の代表作であり話題作である。
「エネルギッシュで独特な舞踊言語でめくるめくダンスと生演奏が織り交じり合う作品。非常にアグレッシブ」(近藤)
ホフェッシュ・シェクターは1975年エルサレム生まれで、バットシェバ舞踊団でオハッド・ナハリンのもとでダンサーとして活躍。後にイギリスに移り、2008年にホフェッシュ・シェクター・カンパニーを創設、世界的カンパニーに飛躍を遂げる。日本では2010年に『Political Mother(ポリティカル・マザー)』を彩の国さいたま芸術劇場で上演し、大きな衝撃をもたらした。また2022年には映画『ダンサー イン Paris』の振付を手がけると共に自身本人役で出演し話題に。
ホフェッシュ・シェクター・カンパニーの彩の国さいたま芸術劇場公演は2010年以来16年ぶりとなり、大きな注目が寄せられそうだ。

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ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』Photo. Todd MacDonald

カンパニー・グランデ ワーク・イン・プログレス公演(2027年2月)

近藤良平監督の発案により、2024年6月に発足したシアター・グループ「カンパニー・グランデ」。第1期は公募により16歳~83歳まで120名が参加し、ワーク・イン・プログレス公演を経て、2026年2月に集大成となる『春の祭典』を大ホールで発表している。
「2期目もまたいろいろなジャンルのアーティストを講師に迎え、ワークを重ねて、1年目にワーク・イン・プログレスで成果発表を、2年目には集大成の公演をしたいと思っています。公演というと結果のようだけど、カンパニー・グランデの活動はプロセスが非常に大事。そこから繋がる作品づくりをやっていきたい」(近藤)
第2期の募集は4月1日から5月10日まで。活動期間は約2年間となる。
「今回も100人規模で募集します。対象は16歳以上。新しい出会いを待っています!」(近藤)と呼びかけた。

そのほかダンス公演は、ヨシタケシンスケのマンガをスズキ拓朗がダンスで表現し2024年の初演時に完売を果たした「おどる絵本『みえるとか みえないとか』」の再演(7月)に、Noism0+Noism1『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』(7月/共催)、若手発掘・育成プログラム「彩芸ブロッサム」では日本と台湾の国境をクロスするアーティスト集団「隣鄰(となり/橋本真那・朱柔欣)」が作品を発表(9月/提携)。
さらに2027年は貞松・浜田バレエ団が創作リサイタル38でオハッド・ナハリン作品『Kamuyot』(2月/提携)を、 lal banshees / 横山彰乃が新作(3月/提携)の上演を予定している。
プログラム詳細は順次公式ウェブサイトで公開。
http://www.saf.or.jp/

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© 伊藤智美

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© 伊藤智美

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