ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.02.11]

レニングラード国立バレエ団『バヤデルカ』『白鳥の湖』『ドン・キホーテ』

「バヤデルカ」
 ファルフ・ルジマトフが新しい芸術監督に就任したレニングラード国立バレエ団が来日し、恒例の年末年始の公演を行った。

『バヤデルカ』は、ニキヤがオクサーナ・シェスタコワ、ソロルがマリインスキー・バレエ団のイーゴリ・コルプ、ガムザッティがオリガ・ステパノワで観た。
やはり、コルプが一際、際立っていた。ダンスを踊っている時だけではなく、マイムの時もちょとした仕草からも、音楽が聴こえてくるかのような身体性を感じさせる。
シェスタコワもそうだったが、特にコルプは第3幕あたりから身体の表情が輝きを増す。「影の王国」では、薄いヴェールを様々に使った踊りが披露された。
ラストの屋台崩しのシーンで、ニキヤに見捨てられた大僧正が嘆いてみせるのは、あまりピンとこなかった。

『白鳥の湖』もシェスタコワとコルプのペアで観た。コルプは落ち着いた堂々としたジークフリート。シェスタコワも見事なラインをみせた。コール・ド・バレエもよく整っており、ソリストたちの踊りも安定感があったし、なかなかしっかりとまとまった舞台だった。

『ドン・キホーテ』は、イリーナ・ペレンのキトリとコルプのバジル。
やはり、キャラクター・ダンスの充実が印象に残った。エスパーダ、ファンダンゴ、メルセデス、ジプシーなどそれぞれが力強く、しっかりとした踊りだった。
ペレンはほとんどいうことがないほどの見事な踊り。さらに演技を円熟させていくには、あるいは一段上のレベルの優れた環境が必要なのかもしれない。
コルプもスピード充分で身軽、猫のように無音の着地、と申し分ない舞台だった。特に、舞台全体に気を配り盛り上げていこうする姿勢は特筆に値する。
(『バヤデルカ』1月11日、『白鳥の湖』 13日国際フォーラム Aホール、『ドン・キホーテ』25日オーチャードホール)

「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」