ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.02.11]

芙二三枝子舞踊団が『青坐』『はるの詞(ことば)』『未来よ』を上演

『青坐』
 今年初めての現代舞踊作品は芙二三枝子舞踊団の3作品を観た。
『青坐』は1976年に初演されたものを2008年版に改めて上演された。この作品は、舞台奥からダンサーが登場し手前と奥の行き来を中心とした縦の動き の<陽の世界「ひたすら生きるいのち」>と、上手と下手に向かう横の動きによる<闇の世界「彼岸への移行」>、丸くなって円をえがきながら踊る<青の世界 「母なるエネルギーと交わり いのちの誕生」>という構成。
活き活きと生きる命が倒れ、彼岸に移り、再び命が蘇生するまでを描いている。シンプルな動きで群舞を巧みに組み合わせて、パズルを解いていくように構成されている。
音楽はマイルス・デイスの曲が使われていた。
『はるの詞(ことば)』は芙二三枝子のソロ。琴の音が流れる中、はるの喜びを表すソロで、最後にピンクスカーフを取り出して祝った。高齢ながら堂々たる舞台姿だった。
『未来よ』は、幕が開くとまず、芸能山城組の「巨竹交響打楽ジェゴグ」を生演奏する鮮烈なオーケストラが目に飛び込んでくる。バリ島の獸面や極彩色で彩ら れた太い竹の楽器。「たとえ、地球が明日滅びるとも、君は今日リンゴの木を植える」という東欧の詩人オルグの詩の一節に触発された、山城祥二の曲が演奏さ れ、生の暗黒面、異形の面と美しく麗らかな面が踊られ、交錯する。
ガムランの音と日本人ダンサーの動きが交わって、生きるということの独特の雰囲気が生まれ、未来への窓を開けてみせた。
(1月12日、あうるすぽっと)

『青坐』『はるの詞』『未来よ』