ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.11.12]

堀内充バレエプロジェクト2007「美しい風景」

2003年の天王洲アートスフィア、2005年ル テアトル銀座、以来の堀内充バレエプロジェクトが「美しい風景」とタイトルを付けた公演を行った。
母校で教えることになって、若い頃の自分に再会したかのような気持ちを抱き、新しい自分の中に古い自分がいることを感じた。そうした思いも持ちながら、再演と新作をミックスしたプログラムを組んだそうだ。

2005年に初演したラモーの音楽による堀内自身のソロ『存在』で幕を開け、舞踊映像を含む12の堀内充作品が踊られた。
 今回初演されたのは、バッハを使った3曲(『空』『花』『空』)とビゼーによる舞踊映像、そしてチャイコフスキー、ヘンデル、メンデルスゾーンを使って構成した『組曲』だった。
『組曲』は、3組のペアの踊りだが、男性ダンサーがトリオで踊ったり、一組ずつの踊りなどを様々に組み合わせて繰り広げられた。速いテンポでシーンの転換 を行い、振りにも工夫が凝らされており、たいへん見応えがあった。ハイネックで背中をあらわにした白い衣裳もなかなか洒落ていて、センスの良さを感じさせ た。

堀内作品は、ケレンがないというか、じつに素直に音楽を捉えて彼自身の動きを明快に組み立てている。最近のダンスは、どちらかというと演出的に過剰な自 己主張がなされているものに遭遇することが多いが、堀内作品は、バレエのテクニックを主体として説得力のある滑らかな動きが、品良く構成されていて、爽や かな印象を受ける。しかしもしかすると、今日の観客にはもうひとつ物足りなく感じてしまうかもしれない。あるは、以前上演されたストレート・プレイなど は、非常に興味深く観た。今回は舞踊映像が披露されたが、次回は、新しい舞台の展開にも挑戦してみてもらいたい、とも思った。


(10月1日、東京芸術劇場 中ホール)