ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.10.10]

コンドルズの『沈黙ノ夏』2007東京公演

『沈黙ノ夏』
 ダンス公演ばかりでなく、バンドプロジェクトやテレビ、ラジオ出演、CMや写真集の出版と大忙しのコンドルズ。11月1日の愛知芸術文化センター15周 年記念の『愛知と青春の旅立ち~コンドルズと祝おう!』を始め、京都などの地方公演の予定も続く。近藤良平はそのほかにも、リンゴ企画などの振付・出演も こなすという過密スケジュールである。

ともあれ、07年の夏公演『沈黙ノ夏』は、書道の準備を整えた弟子たちに、相撲の親方がトンチを競わせるという大喜利方式で開幕した。これがまたおもしろくて会場は抱腹絶倒の大受けだった。

その後は、舞台に何枚かの白い幕を垂らしてシルエットを使い、暑かった----今年はとりわけ猛暑だった----夏の日の秘密をモティーフにしたパ フォーマンスがいくつか演じられた。フランスのモンタルヴォなどにもシルエットを駆使したダンス・パフォーマンスがあるが、コンドルズの場合は、楽しいア ニメーションや映像、人形劇、楽器の弾き語りなど様々な手法の中のひとつにすぎない。

何回も海外公演を重ねたコンドルズのダンス・パフォーマンスも、たいへんに洗練されてきている。今回の公演でも最後の近藤良平のソロは、近藤らしさを出しながらテーマを浮き上がらせる素晴らしいダンスだった。

観客もまた心得たもので、舞台がギャグの始まる雰囲気になると演じる前に笑いだしてしまう。コンドルズのおもしろさのツボが判っているのである。
しかし今回の舞台は、印象としてはやや淡白な感じもした。以前はギャグにしてもダンスにしてももっと泥臭かったかもしれないが、粘り強く雑多な要素も盛 り込んでいて、エネルギーに満ちていたように思う。どんどん活躍の場を広げていってもらいたいのだが、初心の原点もまた忘れないでほしいなどといったこと は杞憂にすぎないだろうけれど。

(9月23日、新宿シアターアプル)