ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.09.10]

イスラエルのダンスと日本の舞台美術家、クリエーターのコラボレーション

『from the Mediterranean Sea and the Pacific Ocean』
KAyM
『地中海の東からの風に乗って』と題された、イスラエルのコンテンポラリー・ダンスと日本の舞台美術家、クリエーターとのコラボレーションが行われた。
イスラエルからは、ニムロド・フリード、ジュラ・クサクバリ、イツィック・ガバイ、日本からはダンサーグループのKAyM、舞台美術家の集団KKISが参加した。
舞台美術家たちが創ったオブジェが置かれた劇場のロビーで、パフォーマンスが始まる。イスラエルのフリードが振付け、KAyMが踊る『A Hole in the ViewⅡ』である。半裸の男性ダンサーがオブジェの間を縫って走り、絡み合う。オブジェとダンサーが不思議な造型を見せる。
観客が客席に戻り、舞台ではクサクバリが振付けた『Menya』が始まる。舞台中央に巨大な目が吊るされていて、目玉がぎょろぎょろと動く。ドキッとさ せられる生々しくシュールなセットだが、よく見ると眼球の形状のものに目玉の超アップのビデオ映像が映されているのである。巨大な眼球の下でクサクバリ自 身がソロが踊る。奇妙な動きが展開されるが、舞台上に白い粉がうっすらと撒かれていて、ダンサーの動きの軌跡が記されていく。
 フリードが振付け、ガバイが踊った『Blue Hole』は、民俗的な仮面とカツラを付け、不気味な笑い奇妙な動きを繰り広げたソロ・ダンスである。
最後のクサクバリがKAyMのダンサーに振付けた『from the Mediterranean Sea and the Pacific Ocean』が最もおもしろかった。1メートル50センチくらいの細い棒をそれぞれのダンサーが手に持って踊る。棒を使って様々のポーズをとったり、棒を 1本持っただけで、じつに様々な表現を創ることができるのに驚いた。振り回したり、天に捧げたり、ダンサー同士の身体のつっかえ棒にしたり、引っ張り合っ たり、そうしたものがいろいろと組み合わされて、多様な表現のヴァリエーションが生まれてくるのである。
終演後に再びロビーで、イスラエル対日本のダンサーたちのパフォーマンスも行われた。

『A Hole in the View Ⅱ』
KAyM
『Menya』『from the Mediterranean Sea and the Pacific Ocean』
KAyM
(8月16日、六本木ORIBEホール)