ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.07.10]

服部有吉の振付によるシンフォニック・バレエ『ラプソディ・イン・ブルー』

服部有吉が14名の男性ダンサーに振付けた舞台である。
主演は、服部自身とラスタ・トーマス、辻本とも彦、大貫真幹、横関雄一郎、TAKAHIROという、今が盛りの6人のダンサーで、衣裳は白いシャツと黒いパンツ。脇を固める8人はカジュアルにリラックスしたスタイルで踊った。
  バレエ、コンテンポラリー、ヒップホップなどのストリート系のダンサーが混じり合って、次々とダンスシーンを展開していく。それぞれのダンサーがもつキャ ラクターが上手く組み合わされていて、得意技もさり気なく披露される。どこから見ても、じつに優れたバランス感覚を感じさせる見事な構成になっている。
音楽は、ドビュッシー「月の光」、メンデルスゾーン「イタリア」、バーバー「アダージョ」、シェーンベルク「浄夜」、ガーシュウイン「ラプソディ・イン・ブルー」が、舞台上のオーケストラ(東京フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団)で演奏された。
素晴らしい指揮と音楽監督は金聖響で、ピアノの松永貴志も参加し、活躍した。
服部有吉、辻本とも彦

ラスタの身体能力の鋭さ、辻本の鍛え抜かれた身体、大貫の端正な踊り、服部の情感豊かな身体の魅力などが渾然として、ダンサー同士には観客にはうかがい知ることのできない特別な感情が行き交っているのではないか、とすら感じられた。
最後に松永のピアノで『ラプソディ・イン・ブルー』が演奏されると、服部がいうところのフリー・スタイルのダンスが鮮やかに花開いたように、ダンサーたちの活き活きとした舞台が現出した。
服部らしい、瀟酒で清潔感が漂う楽しいダンスだったし、ダンスの良さ、素晴らしさを満喫することのできた公演だった。
(6月15日、オーチャードホール)