ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.07.10]

川井郁子、西島千博の『Duende Ⅱ』

今回の『Duende Ⅱ』は、第1部が「夕顔」、第2部は「サロメ」。演出・振付は上田遙で、ほかに古賀豊、上田はる美、横州良平が出演している。
「夕顔」は『源氏物語』の六条御息所と夕顔の愛を対比的に描き、夕顔が六条の御霊に取り憑かれて亡くなるシーンがクライマックス。
「夕顔」
 川井は儚げな着物をからげて、ヴァイオリンで夕顔の心根を奏でる。西島は王朝風デザインの衣裳を着けて総髪を靡かせて踊る。まさに美男美女の絵巻である。古賀が六条に扮し、この物語独特の救いようのない恐ろしさを表現していた。
王朝物にしてはややドラマティックな構成だが、美男美女がおっとりとして雰囲気を出していてなかなか見応えのある舞台だった。
「夕顔」「サロメ」

第2部「サロメ」。川井は腰まで黒髪を垂らして白いヴァイオリンをひく。西島はヨカナーンに扮して、金髪を大きく結った半裸。かなり暴れ回る予言者であった。ここではほとんどダンスらしい動きはなかった。
男性からは想像しにくい女性の深奥にある残酷さは充分表現されていたと思う。観客は川井のヴァイオリンの響きに誘われて登場人物の心理を空想しているようだった。

(6月21日、博品館劇場)