ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関 口 紘一 text by Mieko Sasaki 
[2007.06.10]

もうひとつの『コッペリア』、東京シティ・バレエ

若生加世子、黄凱
 東京シティ・バレエ団の石井清子演出・振付による『コッペリア』は、プティ版とはまったく趣のことなった舞台であった。
ポーランドのガリシアという町を舞台に、自然と人間が調和してのどかに暮らしている中の出来事を描いている。人形師のコッペリウスはマッドサイエンティ スト風ではなく、若者たちの恋の脇役であり、彼らにちょっといたずらを仕掛けた変わり者、という感じである。
セットはレンガ造りの街並で、純朴な村というよりは少々都会風だがじつにのんびりとした雰囲気を醸し出していた。
第3幕の情景は、まるでお伽の国の時の鐘をセットする祝典、といった風情であり、明るく楽しいダンスが次々と繰り広げられるのに相応しい場所に見えた。
スワニルダに扮した若生加世子は、若々しくのびのびとおおらかに踊り、コール・ド・バレエとも息が合っていた。フランツの黄凱は落ち着いてハキハキとメリハリのある踊りで、ちょっとお調子者の若者らしさをうまく表していた。
全体にとても爽やかで、衣裳も清楚で可愛いし、気持ちよく観られる舞台である。美術、衣裳、演出、振付などがたいへんバランスよく配置されていた。
福田一雄指揮による東京シティ・フィルハーモニック・オーケストラの演奏。
若生加世子、黄凱

(ティアラこうとう 大ホール)