ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関 口 紘一 text by Mieko Sasaki 
[2007.06.10]

松山バレエ団『ロミオとジュリエット』

神奈川国際芸術フェスティバルの一環として、松山バレエ団の『ロミオとジュリエット』が上演された。
ジュリエットが森下洋子、ロミオは清水哲太郎。マキューシオに鈴木正彦、ティボルトは橋本達八、ベンボーリオは石井瑠威というキャストだった。
清水哲太郎の演出は、シーンを比較的細かく割り、ロミオとジュリエットの運命の行き違いをテンポよく描いている。セットもめまぐるしく換わり、段取りだ けでもかなり緊張を強いられる舞台だろう。群衆シーンも次々と挿入されていくが、舞台の進行や配置はじつによくコントロールされている。当然といえば当然 であるが、やはり感心させられるものがる。
森下洋子、清水哲太郎
 森下洋子のジュリエットのダンスは、プロコフィエフの哀しいメロディと調和してじつに美しい。表現とメロディが見事にシンクロして、観客を魅了し尽くしている。
修道士ロレンスがロミオに出した「ジュリエットは仮死になるが、やがて必ず蘇る」という知らせが、運命のいたずらからロミオに届かなかった。そのためにこの悲劇が生まれた。
このシーンは他のヴァージョンではほとんど描かれることはない。しかし、このシーンを描くことによって、ラストのロミオとジュリエットの死が、キャピュ レット家とモンタギュー家の無意味な激しい対立によってもたらされた、というテーマをうまく浮かび上がらせたのである。
(5月19日、神奈川県民ホール)