ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関 口 紘一 text by Mieko Sasaki 
[2007.05.10]

様々な人たちに広がるミチオ イトウのダンスの世界

 都立忍岡高等学校が主催、専門学校の舞台芸術学院とミチオ イトウ同門会が共催した「ミチオ イトウの世界」 が行われた。これは、昨年9月からミチオイトウのダンスを学んでいる忍岡高校のダンス部の春の公演会に、やはりミチオのダンスの 授業を行っている舞台芸術学院と同門会が共催したもの。
 ミチオのダンス・メソッドである「テン・ジェスチャー」のデモンストレーションと解説から、様々のミチオ作品が 踊られ、サバチカルで来日中のワシントン大学のミチオ研究家、メアリィ・ジェーン・コーウェルのレクチャートークも行われた。
 オープニングは『アンダンテ・カンタービレ』で、ミチオ イトウ同門会のダンサーたちが踊った。第一部ではさらに 、『シンフォニック・エチュード』『プレリュード』『音の流れ』『エチュードNo.9』と続いた。第二部はまず、1918年にミチオはニュー ヨークで『サクラ』をピアノに編曲して踊ったが、それにちなんで『サクラ変奏曲』を忍岡高校ダンス部と舞台芸術学院の生徒が、 「テン・ジェスチャー」のヴァリエーションを使って踊った。
 そして『ローテスランド』『ボール』『ワルツNo.7』『ケーク ウォーク』『小さな羊飼い』『アン バトウ』 『タンゴ』『ピチカット』『アヴェマリア』などが同門会の人々により踊られた。
 ミチオのダンスを観るといつも、洗練されたモダンで鮮やかな感覚を持っていたものだ、と思わされる。特に、この会では『ボール』『ケーク ウォーク』『タンゴ』『ピチカット』などのソロの鋭い表現力と、群舞の作品のきっちりした構成力が素敵だと改めて思った。
 コーウェルのレクチャートークは、彼女が80年代に嶋崎智によってモダンダンスの先駆者であるミチオを知ったこと、 ミチオのダンスは彼の文化と他の文化を融合させる優れたものであること、現在アメリカでは、チェンバー・ダンス・カンパニー、ユタ・ レパートリー・カンパニー、ムーヴィング・フォア・アジアアメリカン・カンパニーなどで踊られているし、さらにミチオのダンスを見直そう という動きもある、ということだった。
 それにしても、ミチオ イトウのダンスが国や世代を越えて関心を持たれ、継承され発展していくことは、じつに 素晴らしく感動的である。

(3月31日、台東一丁目区民会館)