ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Tokyo <東京>: 最新の記事

From Tokyo <東京>: 月別アーカイブ

関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.04.10]

イリ・ブベニチェク、マリ=アニエス・ジロ、竹島由美子による『融07』

 ハンブルク・バレエ団出身で現在はドレスデンのゼンパーオーパー・バレエ団のプリンシパルを務めるイリ・ブベニチェクと、日本の現代美術家の端聡のコラ ボレーション公演は札幌で2004年から続けられてきた。今年は『融07』と題して、パリ・オペラ座のマリ=アニエス・ジロ、ドレスデン・ゼンパーオー パー・バレエ団のプリンシパル竹島由美子ほかが参加して、東京でも公演が行われることになった。
当初は、イリ・ブベニチェク振付の『春の祭典』を上演する予定だったが、彼の怪我によりプログラムが変更となった。急遽、ウィリアム・フォーサイス作品の抜粋およびマリ=アニエス・ジロ振付作品が上演されることになった。


マリ=アニエス・ジロ振付


マリ=アニエス・ジロ振付
 ダンサーたちはみんなシェイプアップされた身体をしており、特に女性ダンサーはジロを始めみんな長身で見事なシルエットである。
舞台の上手、下手、背景には巨大なスクリーンが張られていて、オブジェや文字などの様々な映像が全面に映しだされる。スポット照明の類いはほとんど使われず、スクリーンに目まぐるしく映される映像を浴びながらダンサーは踊る。
第二部は『レクイエム(融07)・愛の彷徨』で、モーツァルトの『レクイエム』を冒頭と最後に使い、オットー・ブベニチェクの新曲も挿入される。振付はイリ・ブベニチェクである。04年から上演されている「融」シリーズの完結編ということだった。
構成は、愛に関するフラグメンツをアフリカンドラムの演奏で繋いでいくもの。イリ・ブベニチェクの振付は、非常に大きなゆっくりとした動きを中心として いて、映像の転換から生じる光のリズムとドラム、ダンサーの動き、そして音楽が交錯して、独特の雰囲気を醸す舞台だった。
(3月13日、新国立劇場 中劇場)