ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.04.10]

ユニット・キミホの初公演は『Grden of Visions』

 キミホ・ハルバートは岸辺光代の娘で父も舞踊家。ベルギー生れのイギリス人だそうだ。2001年に立ち上げたユニット・キミホの初公演は、なかなか粒よリのダンサーが集まった魅力的なものになった。
1996年頃から振付を始めているそうだが、今回の演目では2000年に初演したサミュエル・バーバーの曲を使った宮内真理子のソロ『La-la- Land』が一番古い。自然の風景を映した映像と舞い降りる白い羽と宮内が美しく共演した。03年の『VISION OF ENWRGY』と年の『Branches of Sorrow and Love』は、数章に分けられた展開の速い作品である。音楽はグレッキ、ロッシーニあるいはナイマン、マーラーほかの音楽を使用している。06年はアル ヴォ・ペルトの音楽で、ハルバートと佐藤洋介のパ・ド・ドゥ『skin to skin』、島田衣子、柳本雅寛、横関雄一郎が踊った『INBETWEEN REALITIES』である。


 


『Garden Visions』
キミホ・ハルバート、作間草 他

『INBETWEEN REALITIES』
島田衣子、柳本雅寛、横関雄一郎
 


 そして新作『GARDEN OF VISION』は、舞台中央に巨大な樹木にも見える活け花。地球上の生命の総体あるいは生命という機能、環境という生命を象徴するオブジェである。ハル バートはしきりに薪を運び、女性ダンサーや男性ダンサーたちが、命を育む空間と交歓する。
ハルバートのダンスは、まずイメージが美しく、動きのヴァリエーションがじつに豊富に展開する。そのため観客は静かにここち良く彼女の舞台と会話を交わすことができるのである。
全体を見て、エコロジカルなテーマを比較的素朴な段階から順々と積み上げてきて、生命の神秘をダンスの中に結晶させようとしているかのように感じられた。

(3月17日、世田ヶ谷パブリックシアター)