ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2007.02.10]

松崎すみ子バレエ公演は泉鏡花の『夜叉が池』

  松崎すみ子が下村由理恵と黄凱を起用して、泉鏡花原作の『夜叉が池』の舞台を創った。物語は、雨乞いの生贄にされた娘が、夜叉が池の主となり、千蛇池の若 君に恋して後を追おうとするが、鐘の封印を解けずに果たせない。しかし、村人たちが新たな雨乞いの生贄を選ぶために封印が解かれ、恋の想いを噴き出すよう な大洪水が起きる、というもの。

着物を巧みにあしらった衣裳と水草のセットで、幻想的な雰囲気がうまくでていた。池のものたちと村のものたちをよく動かして全体のリズムを作り、ソリストの演技を際立たせる。
千蛇池の若君に扮した黄凱は、すっきりと爽やか。能見健志の万年姥も白塗りが似合って感じがでていた。下村由理恵は、着物の裾を翻し、舞うように踊って魅力的だったし、黄凱とのパ・ド・ドゥが見事。舞台全体にメリハリを付けた。


冒頭の白雪が水面からゆっくりと降りてくるシーンや、大洪水が襲うラストシーンの演出は鮮やかだった。(1月18日、東京芸術劇場)