ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.10.10]

クラウド・ゲイト舞踊団の『行草 貳』

 周知のように林 懐民が率いる台湾のカンパニー、クラウド・ゲイトは、ヨーロッパ、アメリカで毎年数多くの公演を行っている。
クラウド・ゲイト舞踊団の舞台は、太極拳などの呼吸法を援用していると思われる流麗で柔軟な動きにより、カリグラフィの流れを舞踊化したものである。
女性は白いパンタロンとトップは肌色のようなベージュのキャミソール。男性は黒いロングスカートのように見えるパンツで上半身は裸である。
それぞれの動きはよく踊り込まれていてズムーズで見応えがある。書を思わせるフォーメーションが次々と展開して独特のアジア的というのだろうか、動きのラインが創られる。墨の濃淡と筆使いを連想させるムーヴメントの緩急が、アクセントとなっている。
 背景には、中国の宮廷文化の色彩感覚を用いた抽象画が何枚か掲げられる。これとジョン・ケージの曲を「デザイン」した音楽が、このカンパニーでなければ創れない美しさを舞台に表出していく。
ただ、ニューヨークのジョイス・シアターのような、比較的小ぶりの劇場空間に合わせて創られているようにも感じられた。あるいは日本の劇場とはぴったりと合いにくい作品なのかもしれない。
(9月21日、新宿文化センター)