ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.10.10]

松山バレエ団の「The Japan Ballet」

 森下洋子の舞台生活55周年を記念する「The Japan Ballet 2006」の公演が行われた。
まずは、松山バレエ・スクールの生徒たちがバレエ団のダンサーたちと一緒に踊る『夢の王国』。リヒヤルト・ワーグナーの音楽を使って清水哲太郎が振付けた、オープニングにふさわしい華やかな踊りである。
続いて『ラ・バヤデール』の影の王国のシーンである。幻影の中に、コール・ド・バレエが次々と舞台に登場する有名なシーンから始まる。コール・ドはよく整っていてきれいだったが、全体に少しだけ元気が良過ぎる気もした。
倉田浩子がたいへん丁寧にニキヤを踊り印象深かかった。ただ、このシーンのニキヤは既に死んでおり幻影に過ぎない。現世では愛する人と一緒になれず、今 やっと幻影として踊っている、という孤高の悲劇を踊りの身体からもう少しはっきり感じとらせてほしい、そんな気もした。ソロルを踊った鈴木正彦は機敏に 踊ったが、やはり感情の混乱の中で愛する人と共にいる、という屈折した喜びをもう少しだけ表してほしかった。
 最後は『ライモンダ』の第3幕だった。豪華絢爛の舞台につぎつぎとソリストたちの踊りが繰り広がられる。ライモンダは森下洋子、ジャン・ド・ブリエンヌは清水哲太郎である。二人の素晴らしいパ・ド・ドゥを、充分に堪能することができた。
(9月17日、ゆうぽうと簡易保険ホール)