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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.09.10]

東京小牧バレエ団の『ペトルーシュカ』『薔薇の精』『白鳥の湖』

 東京小牧バレエ団が創立60周年記念公演として、ストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』、ウェーバー『薔薇の精』、チャイコフスキー『白鳥の湖』第2幕を上演した。
どの作品も、世界大戦前の上海のフランス租界のライシャム劇場で踊っていた作品を、小牧正英(名誉団長)が戦後、日本に持ち帰った舞台を継承している。 当時は、革命を逃れて亡命してきたロシア人舞踊家などを中心に、上海では盛んにバレエが上演されており、いわゆる<上海バレエ・リュス>と呼ばれた。
来年は日本・モンゴル国交樹立35周年にあたるそうだが、今回の東京小牧バレエ団公演にもモンゴル国立バレエ団から、日本でもお馴染みのアルタンフヤグ・ドゥガラー、ビャンバー・バットボルト、日本人団員の長崎真湖ほかの計4名が参加した。

『白鳥の湖』第2幕は、ジークフリートをドゥガラーが、オデットを東京小牧バレエ団の周東早苗が踊った。近年では省略されることの多い、ジークフリートの 友人ベンノが登場して、結婚を望まれる王子の心を表す演出である。周東は04年にはモンゴル国立オペラ劇場に特別出演したこともあり、落ち着いた舞台だっ た。
『薔薇の精』は、リガ出身でラトビア国立オペラ劇場バレエ団から移って、新国立劇場バレエ団のソリストとなったグリゴリー・バリノフと少女の役を長崎真湖が踊った。バリノフの軽快な踊りが印象に残った。
そして『ペトルーシュカ』。バットボルトのペトルーシュカ、モナコのベゾブラゾワに師事しやはりモンゴルのオペラ劇場でも踊った経験のある東京小牧バレ エ団の関根かなみがバレリーナ、ドゥガラーがムーア人、というキャスティングだった。見せ物小屋があり、さまざまな人々が集う謝肉祭の広場の喧噪から、ペ トルーシュカ、バレリーナ、ムーア人の3人の関係へと物語が進んで、ラストの感動的なシーンまで、流れのいい舞台であった。
(8月27日、新宿文化センター)


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