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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.07.10]

下村由理恵とジョエル・カレーニョによる『ドン・キホーテ』

アクリ・堀本バレエアカデミーが、ホセ・カレーニョの弟ジョエル・カレーニョをゲストに招いて『ドン・キホーテ』全幕を上演した。
ジョエルは、1998年にバレエ学校を卒業し、キューバ国立バレエ団に入団した。バレエ学校時代には、ハバナ国際バレエコンクールで二度、金賞を受賞している。現在は、キューバ国立バレエ団の主要ダンサーとして各地の公演で活躍している。

  ジョエルはピルエットのラインが美しく、リフトも鮮やか。キューバ人ダンサーらしい素早い動きで若々しいダンスを披露した。英国やドイツ、イタリアなど各 地のバレエ団で踊ってきたキャリアをもつダーリン・パリッシュが扮したドン・キホーテが良かった。騎士の幻想とレディを敬うキホーテを手堅く役作りしてい た。篠原聖一が扮したサンチョ・パンサはリズミカルな動きで舞台を盛り上げた。マシモ・アクリのガマーシュは、濃厚なイタリアン・テイストを発散して観客 を喜ばせた。ドイツ・オペラ・アム・ラインバレエ団に在籍中の森戸加織は、大道の踊り子を鮮烈に踊った。第2幕で愛の妖精を踊った福田有美子が魅力的だっ た。全体に、キトリの下村由理恵は言うまでもなく、主だった登場人物がそれぞれキャラクターの持ち味を発揮して闊達な舞台を創っているのには、関心させら れた。
振付は、近年の『ドン・キホーテ』では忘れられがちな部分もきちんとした演出をほどこし、踊りもしっかり創っていた。好感の持てる舞台である。
これもまた、再振付・構成のマシモ・アクリ、堀本美和の力であろう。

ごく限られた短い時間だったが、ジョエル・カレーニョに話を聞くことができたので、ご紹介しよう。

----海外のバレエ団にゲスト出演する機会は多いのですか。
ジョエル:ええ、よくありますよ。韓国や中国、メキシコ他の国のバレエ団とともに踊りました。

----2005年に続いて今年もまた、英国のコヴェント・ガーデンで踊りますね。
ジョエル:そうです。英国公演はゲスト出演ではなく、キューバ国立バレエ団自体の公演です。私は、昨年は『ジゼル』と創作作品を踊りましたが、今年は『ドン・キホーテ』を踊ります。
英国の観客は、バレエをよく知っていて理解が深い。愛情を持って私たちの舞台を見てくれます。

----キューバ国立バレエ団のレパートリーどのような構成になっていますか。
ジョエル:クラシック・バレエがほぼ90パーセントを占めます。そのほかに創作作品もありますが、その中で、私がもっとも好きな作品は『ドン・キホーテ』と『ジゼル』です。


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