ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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佐々木 三重子 text by Mieko Sasaki 
[2006.07.10]

M-laboサタデー・ナイト・ホストクラブ<第1夜>『EDEN~果実売りは夜狂う~』

  三浦宏之が主宰する男だけのカンパニー「M-laboratory」が、上村なおか、東野祥子、森下真樹という躍進目覚ましい女性振付家・ダンサー三人を ゲストに迎え、土曜の夜にユニークなホストクラブをオープンした。第1夜は『EDEN~果売りは夜狂う~』。箱の上にりんごを持って立つ男の呼び込みが終 わると、ゲストを含めた全員が威勢良く踊りまくり、そのパワーと熱気が会場を沸かした。オーナーの三浦が客に向かってホストクラブに行ったことのある人は いるかなどと問い掛けるうち、やおらズボンを脱ぎ、シャツも脱ぎ、黒のパンツで興に乗って体をくねらせて踊る。続く展開は、三人のゲストとメンバーの男性 ダンサーとのからみを中心に据えながら、女装した逞しい男性ダンサーによる迫力に満ちたソロを挿入するなど、盛りだくさんで少々クレージーなショーに仕立 てられていた。

東野と斉藤栄治のペアは、お風呂に入る時に最初に洗うのはどこかといった斉藤栄治の質問に、東野が「聖書」「バスタブ」などと答える録音テープが流され、 同時に二人は動きを大きくしていくが、東野の動きは硬質で芯の強さをうかがわせた。冒頭で、体の各部の筋肉を律動させるような巧みな動きを見せた上村だ が、三浦とのデュオでは、光沢を抑えたつや消しのような振りで枯れた境地を漂わせ、振幅の豊かな表現を印象づけた。笠井端丈とりんごの皮をむく森下は、自 作の『デビュタント』の一部を笠井が真似ると、自ら正しく演じて、やり直させる。笠井が肩で床を回るなどのストリートダンス系の踊りを披露すると、今度は それを森下が真似てみせるというように、絶妙な掛け合いで笑わせながら、独自の境地に誘い込んでいった。三者三様に個性を楽しませたゲストを始め、ダン サーたちも存分に自発性を発揮できたのではないだろうか。一体何が起こるかと期待させる、こんなショーがあっても良いと思わせた。(6月10日、セッショ ンハウス)

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