ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2006.03.10]

『TAP MAN ×PIANO MAN』、Co.山田うんの新作

 2004年の10月に公演された『TAP MAN』で、リズムタッパーの熊谷和徳とピアニストの稲本響、映画監督の奥秀太郎という3人の20代のアーティストがコラボレーションした。今回はその舞台をさらに発展させた『TAP MAN × PIANO MAN』である。
舞台にはタップを踏むスペースがいくつかに分けられている。手前に三つ。奥には階段状に高くした床がある。床から床へ身を翻してタップを踏む。

熊谷和徳のタップはワイルドで床を貫くように力強い。すべての言葉、すべての想いを込めて、腹の底に響くような重いリズムを刻む。
鳩が飛び立つ羽の音からリズムを作るダンスや、タップを踏む瞬間に次々と破裂する映像とシンクロするダンスなど、楽しい演出が工夫されている。稲本の流麗なピアノと重いタップが、じつにいい感じの舞台を創り、観客にも大いに受けていた。
(2月10日、アートスフィア)

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山田うんの新作『[gès]ゲス』を観た。この前に観た『テンテコマイ』の時は、少々弱々しいというかイノセントな感覚をだしていたようだが、今回はまるで別人のように表情が引き締まり精悍な印象である。
13台のスティールの長いテーブルを舞台上に並べたり、重ねたりしながら女性5人と男性一人のダンサーが踊る。正座したり規則正しい歩き方、身体を極度 に緊張させたり、局部的なすばやい動き、バネ仕掛けのような動き、スラプスティックな動きなどが混じり合う。ニューロティックでフェティッシュな感覚の動 きが、時折、ゆっくりとした動きに変わったりする。くり返しテーブルを倒したり、ストップモーションを使った「間」も多用されている。
最後はオープニングの形に戻って幕。60分間、動きだけで見せたなかなかの力作である。
レースやたくさんの白い手袋をあしらった衣装が、白いパンツと合っていて可愛かった。
(2月18日、吉祥寺シアター)