ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.06.10]

●ゴールデンウィークを飾った松山バレエ団の『シンデレラ』

松山バレエ団は今年で創立57年となるそうだが、『シンデレラ』は既に、70数回も上演している、という。 清水哲太郎の演出・振付による『シンデレラ』は、人間の心の純粋な美しさを描いている。悪意をもって苛められていた義母とふたりの姉を、シンデレラの美しい心は許し、すべてを幸福な世界へと導いて行く。
 まず、シンデレラの子供時代。両親に囲まれて幸せに、溌剌として育っている。誕生日のプレゼントとして、オルゴールを贈られるのだが、それはまるで彼女の美しい心を象徴するかのように感じられる。 そして、魔法使いや四季の精たちにより、金色の6頭立ての馬車に乗せられて宮廷へと向かう。12時までに必ず戻る、という約束をして……。

森下洋子のシンデレラが、舞踏会に登場する時は巨大な時計の裏側から戸板返しのようにして姿を現す。これは、人間と時間の関係を象徴するといってもいいなかなか秀逸なアイディアである。
森下洋子は表現するものは明解に捉え、ディティールの濃やかな動きを紡いで、最後のグラン・パ・ド・ドゥへと収斂していく。舞台全体をまとめる見事なダンスである。 四季の精は、平元久美、佐藤明美、山川晶子ほかの優秀なダンサーが踊っていた。
(5月3日、オーチャ-ドホール)