ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.06.10]

●小島章司 フラメンコ 2005 ロマンセ

 小島章司の5月の公演は演出に上田遥を迎えて、スペインの幻想詩人ガルシア・ロルカの世界を踊った。
ロルカの世界を「大地のロマンセ」「月と死のロマンセ」「光と影のロマンセ」という三つの章に分け、スペインの魂と日本の心の通底するものを描こう、と いうかなり野心的な試みと言える。ゲストにはフラメンコと異なったジャンルから、ザ・コンボイ出身の橋本拓也、牧阿佐美バレエ団の期待のバレリーナ伊藤友 季子、ワガノワ舞踊アカデミーに学んだ三木雄馬を招いている。音楽監督は、近年フラメンコの祭典などで実力を発揮している若手ギタリスト、チクエロ。

  橋本は現代の吟遊詩人に扮し、歌や詩を詠い巧みなダンスも披露した。伊藤は全身鮮やかなイエローの月の光の美しいイメージをソロと、小島とは「月と死のア ダージョ」を踊り、たいへん印象的であった。踊りもはかな気な、しかし世界をくっきりと照らしている、と思わせる素敵なものであった。三木雄馬は、白い衣 裳の聖ガブリエルと金を飾ったマタドールを逞しく踊った。

そして小島は、ゲストのパフォーマンスと交歓しつつ、第1章ではオリーブの樹、第2章では月の背後の闇、第3章では「死」を踊り、ラストシーンの次世代 へのメッセージに繋げた。日本人のスペインのイメージに、小島の舞台活動が刻印したものを浮かび上がらせた公演であった。
(5月14日、アートスフィア)
 

(5月22日、メルパルクホール)