ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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佐々木 三重子 text by Mieko Sasaki 
[2005.06.10]

●Nuevo Ballet Espanolが初来日

愛知万博を記念して開催された〈フラメンコ・フェスティバル・イン・ジャパン2005〉の一環として、Nuevo Ballet Espanol(ヌエボ・バレエ・エスパニョール)が初来日した。1994年に「ダンスとフラメンコの振付年鑑」でベストダンサー賞を分け合ったアンヘ ル・ロハスとカルロス・ロドリゲスが、翌1995年に結成したカンパニーで、伝統的なスパニッシュ・バレエと斬新なフラメンコを融合させた作品で評価を得 てきた。東京公演では、様々なスタイルを採り入れた新鮮なステージを繰り広げた。

上演したのは、この二人が振付けた代表作『Flamenco Directo』。カンパニーの特色やダンサーの魅力がコンパクトに詰め込まれており、カンパニーを紹介するにはもってこいの作品なのだろう。全体は十の パートで構成されており、全員が登場する「Directos」で始まり、全員による「Amonos」で華やかに締めくくられたが、やはり見せ場はロドリゲ スのソロ「Mil Besos」やロハスのソロ「De Corazon」、そして両者による「Mahera」などのデュオだった。二人は、すらりと伸びた脚、引き締まった胴、しなやかな腕を自在に操り、また轟 くようなサパテアードを織り混ぜて、研ぎ澄まされた身のこなしで情熱をほとばしらせる。加えて、その表現力の強靭なこと。怒りや悲しみ、愛情、嘆きといっ た感情の発露は、こわいくらいのインパクトで観る者に迫った。さらに、バレエのようなピルエットやポーズを違和感なく採り入れている所にも、二人の優れた 技量と共に、伝統に固執しない幅広さがうかがえた。“ヌエボ”を目指す彼らならではだろう。

一方で、今回の演目を見る限り、女性たちのパフォーマンスには物足りなさを覚えた。特に群舞は動きも平板であり、全体の添え物のような存在だったのが惜しまれる。
(5月12日、東京国際フォーラム・ホールC)