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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.04.10]

●スターダンサーズ・バレエ団がフォーサイス、チューダー、バランシンを上演

 スターダンサーズ・バレエ団が、創立40周年を迎え、フォーサイスの『ステップテクスト』、チューダーの『火の柱』、バランシンの『ウエスタン・シンフォニー』を上演した。
『ステップテクスト』は、1984年に初演された『アーティファクト』のPart 2を独立した作品として上演したものである。音楽はバッハの「シャコンヌ」を使用している。
フランクフルト・バレエ団が『ステップテクスト』を日本初演した時、幕が開いて客電がつけられたままダンサーが登場して踊る有名なオープニング、あるい は突然の暗転や上演中の客電の操作、音楽の断絶、ステップを一方的に打ち切って歩き出すダンサーなどに、ショックを受け、非常に鮮烈な印象を抱いた。しか し今日の観客は、フォーサイスのダンスをごく自然に受けとめている。

『ウエスタン・シンフォニー』

『ステップテクスト』は、ダンスのリハーサルのシーンを作品としている。リハーサルだから当然、舞台は突如中断される。ダンスのステップが解除されるだけ でなく、音楽が切断され、ディレクターに強くアッピールしようとするダンサーがいたり、客電が明るくなったり暗くなったりする。
舞台で一定の時間の流れの中で展開されるダンス作品を、作品を構成しているファクターのそれぞれのオン&オフによって解体してみせる。別の言い方をする と、本番の舞台とバックステ-ジをモンタージュして、ダンスとはなにか、と問いかける。こうした作品の狙いと、フォーサイス独特のムーヴメントが渾然と なって、かつてないコンテンポラリーな感覚のダンスが創られた。

『火の柱』は、通りを隔てて建つ三人姉妹の家といかがわしい噂の家の間で繰り広げられるドラマ。中の娘ヘイガーが、姉、妹、友人、噂の家から出てきた男などの行動を、彼女の愛と孤独の中に見つめ、社会との調和を求める。
チューダーの振付は明解で、登場人物が表現すること、主役と背景の位置がはっきりとしていて、観客にも分かりやすい。ヘイガーを小山久美が的確に踊り、ニューヨーク・シティ・バレエやチューリッヒ.オペラ・バレエで踊ったベン・ヒューズが印象的な役創りをみせた。

一転して、『ウエスタン・シンフォニー』は思いきりカラフルで可愛らしい衣裳で、アメリカンな派手な色彩が溢れる舞台。羽飾りを着けたバレリーナのソロ、群舞がこの上なく楽しい。西島千博の甘い表現が魅力を発散し、大倉現生のリズミカルな動きが見事だった。
小山恵美総監督になって、チラシやプログラムも明るく洗練された感覚が感じられるようになった。今後の公演に期待したい。
(3月13日、ゆうぽうと簡易保険ホール)



『ステップテクスト』

『火の柱』

『ウエスタン・シンフォニー』