ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.04.10]

●英国ロイヤル・バレエ・スクールの来日公演

 英国ロイヤル・バレエ・スクール(RBS)は、以前にも来日したことがあったが、関西地方だけの公演だったので、東京では初めて舞台を披露した。
RBSは、1926年に英国バレエの生みの親であるニネット・ド・ヴァロワが設立した、舞踊芸術アカデミーを前身としている。当時は女子のみを教える小 規模のものだったが、ド・ヴァロワたちの努力によって世界一流のロイヤル・バレエ、バーミンガム・ロイヤル・バレエのダンサーを育成するバレエ・スクール へと発展した。

演し物は、『アイズ・ザット・ジェントリー・タッチ』=フィリップ・グラス音楽、カーク・ピーターソン振付、『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』より「ファ ニー・エルスラーのパ・ド・ドゥ」=フェルディナン・エロルデ音楽、フレデリック・アシュトン振付、『ライモンダ』第三幕抜粋=アレクサンドル・グラズノ フ音楽、マリウス・プティパ振付、『アンイーブン・グラウンド』=メルセデス・ソーサの歌、ポール・ボイド振付、『モノトーンズ』II=エリック・サティ 音楽、アシュトン振付、『ピアノ・コンチェルト』♯2=ロウエル・リーバーマン音楽、ロバート・ヒル振付。

クラシック・バレエ2曲と、コンテンポラリー・ダンス4曲のうち3曲はクラシック・バレエの技法を基礎としたもので、もう1曲はブレイク・ダンスを採り 入れたコンテンポラリー作品、という構成であった。これはツアー用のプログラムだが、こうした構成----特にクラシックとコンテンポラリーの比率から、 ロイヤル・バレエあるいは世界の第一線のバレエ団がどのようなダンサーを必要としているか、推測することも可能である。

RBSのダンサーたちは、なかなか引き締まった舞台を見せた。やはりよく踊っているアシュトンの作品はうまく踊る。音のとり方から作品の趣旨をしっかり と汲み取り、自信を持って踊っていた。グラス曲の『アイズ・ザット・ジェントリー・タッチ』やリーバーマン曲の『ピアノ・コンチェルト』♯2なども、軽快 に若々しさを前面に出していたし、『アンイーブン・グランド』では、自然に身に着いたロンドンのストリート感覚を素直に踊っていて好感の持てる舞台だっ た。「ロイヤル」という称号を背負っているためか、ダンサーたちの踊りにはプライドが感じられる。ぜひ、また観たい公演である。
(3月24日、ゆうぽうと簡易保険ホール)