ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2005.04.10]

●内田香が率いるRoussewaltz ルッシュワルツが『なみだ』を上演

 長身にロングヘア、ロングドレスにヒールを履いてフェミニンな雰囲気が満ち溢れる、最近の内田香にはそんな舞台が多い。

『なみだ』は、打ちっ放しのコンクリートのホリゾントに、深紅の椅子を数脚並べただけの他には何もない舞台。赤、青、紫など思いも思いの色彩のカラフルな ドレスの女性ダンサーと、黒いスーツ風の衣裳の男性ダンサーが絡む。上手奥から下手手前の対角線に光の道が浮かび上がり、その上で男女の出会いなど様々な 人生の出来事が繰り広げられる。

そしてつぎのシーンでは、女性ダンサーの衣裳が濃紺のベルベットのドレスに統一される。ソフトボールくらいの水晶の玉をもってほのかなブルーの照明の中 で踊るなど、ここではこころの動きが踊られる。水晶の玉を対角線の光の道に置くと、光が玉の一部を貫いて、きらリと、なみだのように光る。

内田の集中力のあるソロ、さらに全員のコーダ風の踊りで盛り上がり、カーテンコールでは両ソデから、無数のシャボン玉が飛ばされて美しいのなみだのダンスは幕を下ろした。

女性らしさを前面に出した濃密なダンスで、私は満足したが、現代の女性を真っ向から描く、となるとさらに鋭いあるいは大きな視点からの構築も必要なのかもしれない。
(3月13日、セシオン杉並)