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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2005.10.10]

●パリ・オペラ座バレエ団『ル・パルク』

  パリ・オペラ座バレエ団の新シーズンは、9月16日から24日にかけて行われた中国公演でスタートしたが、本拠地のパリ・オペラ座ガルニエでは、ほぼ同時 期の9月20日からプレルジョカージュ振付『ル・パルク』が始まった。94年に初演されたこのバレエも今回ですでに5回目の上演になるが、今年はモーツァ ルトの生誕250年にちなんでか、オペラ座の開幕にも、オペラは、シェロー演出の『コジ・ファン・トゥッテ』、バレエは、モーツァルトの管弦楽曲とピアノ 協奏曲が使われた、この『ル・パルク』をもってきたようだ。初演の後は、ガルニエからバスティーユへ会場が移行されたが、今回は再びガルニエに戻ってき て、より緻密なステージが繰り広げられた。

初日のキャストは、この作品に初挑戦のレティシア・ピュジョルと創演者のローラン・イレール。7月のジュリエットで飛躍的な成長を見せたピュジョルは、 非常にピュアな役作りで、透明ですがすがしい踊りに目を見張らされた。その反面、相手役のイレールと釣り合うような情熱とか官能性といったものに乏しい が、踊りこんでいくうちに役作りにも深みが出てくることだろう。

 

  イレールはといえば、今さら言うまでもなく、プレルジョカージュに惚れ込まれ、この役を持ち役としているだけに、ノーブルかつ精悍に、この作品を自在に踊 りこなし、さすがだった。舞台での存在感は圧倒的で、ほとんど一人で舞台を支えていた感さえある。後半は、オレリー・デュポンとも組むことになっており、 また違った印象をもたらしてくれることだろう。

もう一組のエレオノラ・アッバニャートとヤン・ブリダールのペアも初顔合わせで、特に最近とみに女性らしさを増したアッバニャートの瑞々しい演技がモダンな香りをもたらしていたのが印象に残る。
コール・ド・バレエも若返り、アンサンブルには見応えがあったが、個々の演技については、初演の頃に比べ、個性が薄らいだように思える。それも時代の流れだろう。