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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2006.05.10]

リファール、バランシンなど4作品でオペラ座バレエ学校公演

 パリ・オペラ座バレエ団が日本公演で留守の間、オペラ座バレエ学校公演が、4月23日から5月3日までオペラ座ガルニエで行われた。
 今年の演目は、マルセル・サミュエルールッソー曲、リファール振付『見回りの間に』、ショパン曲、ベジャール振付『ドン・ジョヴァンニ・ヴァリエーショ ン』、ミヨー曲、マルティネズ振付『スカラムーシュ』、モーツァルト曲、バランシン振付『ディヴェルティメント第15番』の4曲。モーツァルト・イヤーに ちなんで、モーツァルトの音楽による作品が2曲入っているのと、最上級の一学年の男子生徒が5人しかいないという現状を考慮してか、ベジャールとバランシ ンが女性中心の作品というのが特徴だが、全体に小粒な印象は否めない。

※写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。
『見回りの間に』
『ドン・ジョヴァンニ・
ヴァリエーション』
『ディエルティメント』


 最初のリファール作品は、ルーヴル美術館のアポロ像とドガの踊り子の像が繰り広げるデュエットで、1940年、リファールとソランジュ・シュワルツのペ アで初演された。バレエ学校公演では、1992年にラファエル・ドロネとヤン・サイズが踊っており、今でもその好演が思い出される。今回2日目に踊ったク レール・ガンドルフィとイヴォン・ドゥモルは健闘していたものの、この作品はテクニック的にも生徒には少々難しいかもしれない。
 リファールといえば、かつてはバレエ学校の生徒だけで『白の組曲』が上演できた時代(1987年、アニエス・ルテステュ、ギレーヌ・ファルーらが在籍していた時代)があったのだけれど、なかなか再演の機会が訪れない。

 2曲目のベジャール作品は、ピンクと黒のレオタードの少女たちがドン・ジョヴァンニの出現を待っているという設定で、群舞の間に繰り広げられるいくつかのソロで、ソリストたちが見せ場を競った。
 3曲目の『スカラムーシュ』は、昨年の公演で初演され、バレエ学校を舞台に、生徒たちがコメディア・デラルテの世界やクラシック・バレエのレパートリー の中に入り込んでいくという洒落た作品。ルテステュがデザインした衣裳も好評を博した。踊りというよりマイムが主体の作品だが、体当たりで熱演する子供た ちの姿が微笑ましい。

 最後のバランシン作品は、オペラ座の美点を生かした作品として、当夜最も見応えがあった。86年のオペラ座バレエ団の日本公演でも上演され、当時もオペ ラ座ならではの洗練されたアンサンブルを強く印象づけた。ソリストに、それほど傑出した人が見当たらないのが残念だったが、映画『オロール』に主演したマ ルゴ・シャトリエが注目を集め、このブロンドの美少女が登場すると、客席のあちらこちらで指さす光景が見られたのが興味深かった。映画の反響は大きい。


『ディエルティメント』

『スカラムーシュ』

『スカラムーシュ』