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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2006.05.10]

最新作携えクルベリ・バレエ団が来演

 スウェーデンのクルベリ・バレエ団が、シャイヨ劇場に4月26日から29日まで招聘され、公演を行った。
プログラムは、マッツ・エック振付『アルミニウム』と2003年から芸術監督を務めるヨハン・インガー振付『AS IF』の2本立て。共に2005年の初演。

エックの『アルミニウム』は、壁から床、窓、テーブル、衣裳まですべてアルミニウム色のグレーで統一された舞台。女性ダンサーが、アルミのお皿を床に落 とし、けたたましい音を立てると同時に、ジョン・アダムスの『シェーカー・ループス』の音楽が始まる。弦の引き裂くような音響が危機感をあおる中、デュオ や群舞が次々に展開され、その強靭なエネルギーと変幻自在の構成に目を奪われる。

インガー作品は、ステファン・レヴィン音楽、ミラ・エックによる装置、衣裳。舞台中央に、可動式の大きな衝立てが置かれ、ダンサーはその上に乗ったり、 その陰から現れては消える。全体に暗くミステリアスなトーンに包まれているが、こうした閉ざされた空間設定や地鳴りのような音響は、最近、オペラ座で委嘱 初演されたミシェル・ノワレやアブア・ラグラー作品などに雰囲気が似通っている。これは時代の趨勢なのかもしれない。しかしインガーの作品は、はるかに意 外性に富み、刺激的であった。

カンパニーには、日本人ダンサーが3人(首藤泉、渡辺れい、大植慎太郎)在籍しているが、パワフルなアンサンブルに圧倒される思いだった。


『アルミニウム』

『AS IF』