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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2006.04.10]

パリ・オペラ座ヌレエフ版『ラ・バヤデール』が連日の盛況

 既報の通り、3月3日の初日の舞台終了後、エルヴェ・モローがエトワールに任命さ れ、冒頭から活気づいた『ラ・バヤデール』。その後、7日と28日の2公演がストライキで中止になってしまったが、4月8日まで14公演が行われた。この ヌレエフ版は、92年に初演されて以来、すでに上演160回を越えているが、相変わらず根強い人気で、連日満員の盛況だった。

 初日を飾ったオレリー・デュポンとエルヴェ・モローのペアは、絵から抜け出てきたような華やかさでまず目を奪う。『ラ・バヤデール』というと、今でも初 演のイザベル・ゲランとローラン・イレールの名演が蘇ってくるので、第1幕は、まだ演技がおとなしいきらいがあるものの、デュポンは凛とした美しさで、数 年前初めて踊った時に比べ格段の進歩を遂げている。第2幕の花かごの踊りや第3幕影の王国での踊りには、オペラ座を背負って立つような貫禄さえ感じられ た。


デュポン&モロー

デュポン&モロー

デュポン


 モローは、昨年夏の『ロミオとジュリエット』や昨年末の『白鳥の湖』などですでに立派なノーブルぶりを印象づけていたので、いつエトワールに任命されて も不思議ではなかった。ソロル役には、もう少し豪放さがほしい面もあったが、終幕まで勢いが衰えることなく次々と難度の高いテクニックをクリアしていく姿 は本当にすがすがしい。エトワールお披露目となった11日の公演では、エトワールとしての自覚に目覚め、初日より一回りスケールの大きい演技で、喝采をさ らった。

 ガムザッティはドロテ・ジルベール。初役にもかかわらず、ニキヤとの対決シーンも堂々としたもので、婚約式の踊りでは、バランスの絶対的強さを見せ、熱 狂的な喝采を浴びた。ほとんど一人でこの場を盛り上げてしまったのは大したもの。近いうちにエトワールになることはまちがいないだろう。

 ソリスト陣のソロにも見応えがあった。金の像を踊ったエマニュエル・ティボーの磨き抜かれた技の素晴らしさ。彼こそ紛れもないエトワールだと思うのだ が、今回彼にソロル役が回って来なかったのは全くのミステリー。マヌーのミリアム・ウルド=ブラームも可憐なキャラクターが適役。第3幕影のソリストは、 イザベル・シアラヴォラ、メラニー・ユレル、エミリー・コゼットで、特にシアラヴォラの優雅なシルエットは精霊そのものだった。

 なおデュポンは、3月21、23日の2日間、客演のカルロス・アコスタと共演。このペアの共演に立ち会うのは、2年前の『ドン・キホーテ』以来になるが、前回にも増してエキサイティングな競演が繰り広げられ、満足この上なかった。


ティボー

ジルベール&モロー

ジルベール&モロー