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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2006.01.10]

マリインスキー・バレエのパリ公演続報、ゲルギエフ指揮で収録された『くるみ割り人形』

 11月から12月にかけて、シャトレ座をにぎわせたマリインスキー・バレエ。4種類のプログラムのうち、最後はチャイコフスキー曲『くるみ割り人形』で、12月2日から5日まで6回上演された。
美術家ミハイル・シェミアキンの演出、美術、衣裳、キリル・シーモノフの振付の舞台は、2001年の制作で、2003年のパリ公演でも上演されたもの。 まず美術家に主導権を持たせたため、舞台はロシア風ダリの世界にこってりと塗り替えられ、伝統あるマリインスキー劇場としては、かなり大胆な新版として反 響を呼んだ。反面、一幕など踊りの部分が削られてしまい、踊りを見る楽しみが減ってしまったことも否めない。今回また同じ版を持ってきたのは、ゲルギエフ 指揮で映像化する企画があったためだろう。


 主役のマーシャは、当初ディアナ・ヴィシニョーワも予定されていたが、直前に降りてしまい、イリーナ・ゴルプとエウゲニヤ・オブラスツォワの交替、王子 は、レオニード・サラファーノフとアンドリアン・ファジェーエフらの交替。収録は、オブラスツォワとファジェーエフのペアで行われた。前回に続いて、ゴル プを見たが、テクニック的にも余裕が見られ、堂々とした演技には、成長の跡を感じさせた。
 それにしても、ゴルプをはじめソリストたちのテクニックは、この10年間で飛躍的に向上した。特に跳躍の高さと、回転技のバランスの良さ、そしてポール・ド・ブラの美しさは絶品だ。