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皆様、こんにちは。ニューヨークはまだ涼しい日が続いていて、夜バレエ公演が終わってから外に出ると肌寒いくらいです。スカーフや長そでを持ち歩いています。6月はニューヨーク・シティ・バレエとABTの公演シーズンでしたので、取材にいそしんでいました。特に6月27日は引退するABTのニーナ・アナニアシヴィリの最後の公演がすごい盛り上がりでした。次回レポートをお送りします。

NYCBがバランシンの『愛のワルツ』とロビンズの『結婚』を上演

New York City Ballet
George Balanchine " Liebeslieder Walzer"
Jerome Robbins "Les Noces"
ニューヨーク・シティ・バレエ
ジョージ・バランシン『愛のワルツ』
ジェローム・ロビンズ『結婚』

6月9日夜、21日まで春のシーズン公演中だったニューヨーク・シティ・バレエの2つの作品を観てきました。
 

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一つ目の『愛のワルツ』は、同名のヨハネス・ブラームスの曲を使っていて、1960年初演のジョージ・バランシン振付の作品です。舞台上にピアノが置かれていて、2名のピアニストの連弾と、ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンの4名のオペラ歌手による歌と生演奏で、音楽もとても素敵でした。舞台セットは大きなシャンデリアがある大広間で、女性名ロングドレス、男性はタキシードの正装で、4組の男女のペア・ダンサーたちが登場して踊りました。周りには椅子がたくさん置かれていました。
出演したダンサーは全員プリンシパルたちでした。ダーシー・キスラー、ジェニー・ソモギ、ジャニー・テイラー、ウェンディ・ウィーラン、ジャレド・アングル、セバスチャン・マルコヴィッチ、ニラス・マーティンス、フィリップ・ニールです。

最初のパート1(Opus 52「愛の歌」)では、女性たちはダンスシューズで登場して、4組のペアでボールルームダンスのようなワルツを踊ったあと、次の2組が踊り他の4名は周りのイスに座って見ていました。
そして1組ずつ順番に出番が変わっていき、それぞれが踊りを披露しました。早めのワルツで飛び跳ねて踊ったり、ゆったりしたワルツの曲で男性が女性をリフトして空中で飛んでいるような踊りもありました。
4組8人で輪になって、ワルツでオルゴールの人形のように動きました。ダンサーとして特に身体能力が優れているバレリーナたちなので、ごく普通のワルツを踊っていても動きが優雅できれいでした。とても軽やかで動きにキレがありました。最後に舞台後方の3つのドアが開いて、みんな去っていきました。

パート2(Opus 65「新しい愛の歌」)では、女性たちは軽いシフォンスカートとトウシューズで登場しました。それぞれペアが、リフトで女性がゆっくりと宙を舞うような、とても優雅な踊りでした。
最後の方で、女性たちが舞踏会用の白いロングドレスに早変わりで着替えて男女1組ずつでてきて、4組ともみんなイスに座って、舞台上の歌手とピアニストたちに向ってダンサー達が拍手をして終わりました。この終わり方は意外でした。まだこれから別の続きが始まりそうな終わり方がおもしろく感じました。

 

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2つ目の『結婚』はストラヴィンスキーの曲に、ジェローム・ロビンスが1965年に振付けた作品です。
これはロシアの古い儀式的な結婚をテーマにしたバレエで、とても前衛的なモダンダンスのような作品でした。クラシック・バレエをベースにした作品の上演が多いニューヨーク・シティ・バレエでは珍しい作品だと思います。

舞台後方は巨大な教会の中にあるような絵で覆われていて、その絵の前に3段くらいの台の上に30人以上のフルコーラス隊が控え、ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンの4名のオペラ歌手も歌い、4台のグランドピアノも演奏されました。指揮者もいてストラヴィンスキーの音楽だけでも分厚く素晴らしいものでした。

ダンサーたちは全員ダンスシューズで、プリンシパルは一人も出演していませんでした。古い時代の村人たちのような衣装で、男性はひざから下をヒモでしばって編み上げていました。
舞台中央に一人だけ長い髪をほどいた花嫁が、とても長くて太目の荒縄のようなヒモの真ん中を持っていて、その両端を左右に人が3人くらい持って引っ張って踊っていました。再びその長いヒモを花嫁がクルクルと一人で巻いて動き、それから人々に抱きかかえられて消えました。
村人風の男女は、同じように左右で踊りました。
不気味な音楽になり、周りで女性たちが大勢で踊っていて、その一番前の中央に最初の髪を解いた花嫁がまたでてきて、長いヒモは床に置いたまま、ずっと1番ポディションのグランプリエのままの形でじっとし続けていました。
その後、舞台真ん中に小さなテーブルが置かれ、その上に花嫁と花婿が乗って2人でゆっくりと動きました。最後は2人で抱き合っていて、他の人々はじっと1列に座って終わりました。 
(2009年6月9日夜 ニューヨーク・ステート・シアター)