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TAP CITY(タップシティー)

 7月8日から11日まで、シンフォニースペースで、タップシティー(The New York City Tap Festival)が開催されました。今年はこのタップ・シティーは8周年記念です。今までよりも大きなホールで上演しました。これは、ニューヨークらしい毎年恒例の、フェスティバルです。
主催者は、トニー・ワアグで、アメリカン・タップ・ダンス・ファンデーション(ATDF)というNPO団体をブレンダ・ブッファリーノらと共に1986年に創立しました。各種タップダンスクラスもあります。
 ウェブサイトは、www.atdf.org

 私が観劇したのは、7月8日の『タップフォワード』、11日の『タップ&ソング』です。舞台上では、ベース、ピアノ、ドラムスのトリオのミュージシャンが生演奏もしています。

 

熊谷和徳
『タップフォワード』では、日本人ダンサーたちも出演しました。第一幕には、カズ熊谷が出演し、「ピープル・ゲット・レイディー」というカーティス・メイフィールドの曲にのって、マサ清水のギター生演奏で、ソロで踊りました。カズ熊谷のタップは圧巻で、他の出演者たちを圧倒していました。客席の反応もすごくて、盛り上がりました。
第二幕では、日本人ダンサー3人組のZENというグループも出演し、日本の伝統的ソングとなっている「スキヤキ」にのって踊りました。上手でした。(アドバイス By デリック・K・グラントだそうです。)

 他に印象に残ったのは、ミッシェル・ドランセという黒人女性です。目立って上手で、迫力もありました。こちらも振付にデリック・K・グラントの名も書いてあったので、おそらく彼の生徒でしょうね。グラントはニューヨークで現在、大人気のタップの先生でもあります。

 他は、ジョセッテ・ウィッガンがとても上手で迫力があり、『バイーア』という作品でした。

 最後はデリック・K・グラントが受賞し、その後、『トリビュート・トゥー・D』と題して、グラントの振付で男女5組が出てきて踊りました。カズ熊谷も出ていました。グラントは、ボストン生まれで、ゼヴィオン・グローヴァー振付の大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカル、『ブリング・イン・ダ・ノイズ、ブリング・イン・ダ・ファンク』のオリジナルメンバーでダンス・キャプテンを務めました。

『タップ&ソング』では、たくさんの歌と演奏と踊りをミックスして、とても楽しい構成になっていました。最初は、トニー・ワアグが、客席の通路を、歌いながら歩いてでてきて、舞台に上りました。

 

 面白くて客席で大受けだったのが、コンスタンティン・ネフレディノフの『ハンズ』で、音楽に乗って、クラシックの有名な曲のメロディーをリズムだけで刻んで踊りました。みんな大笑いしていました。表情もおかしかったです。途中、逆立ちして手にタップシューズをはめて、手だけでタップを踊ったのですが、逆立ちをずっとし続けたままで上で足を開いたり閉じたりもしていて、すごかったです。以前は体操選手か何かだったのでしょうか。

 見所は、マックス・ポラックが率いるルンバ・タップです。日本人の岩堀チカコも出演していました。前にこのコラムで取材してレポートを書いたことがありますが、数年前よりも彼らの舞台がより良くなっていて、進歩が感じられました。数名の打楽器などミュージシャンたちの生演奏付きで、迫力がありました。ルンバのリズムの音楽でタップダンスにするという、とてもオリジナリティーがあります。

 終盤で盛り上がったのが、マーブル・ビーという明るいチャーミングなおばあさんです。彼女も受賞しました。もともとジャズダンサーで、「100万ドルの足を持つ」と呼ばれたそうです。1921年アトランタ生まれで、87歳です! まだまだ元気で、素晴らしいです。

 マーブル・ビー&ハー・ダンシング・レディースは、マーブル・ビーの振付で、14名の女性たちが踊りました。ゆったりしたリズムで、セクシーポーズをたくさん入れた、可愛らしいようなセクシーな明るいダンスでした。みんな楽しそうで、客席も大笑いで楽しくて、彼女たちのタップを観ていると、加わって一緒に踊りたくなる衝動にかられました。タップダンスは、大勢で音を鳴らしながら、明るく、楽しめるところが魅力です。

Photo is by Lois Greenfield