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ニューヨークで人気のモミックス


 5月13日から6月8日まで、ジョイスシアターにて、モミックスの公演がありました。プログラムA「パッション」と、プログラムB「ルナ・シー」という公演です。このカンパニーは以前のレポートでも何度かお届けしましたが、私は大ファンで、とても楽しみにしており、見逃したくない公演です。照明が独創的で、とてもアーティスティックな演出をします。ダンスの枠には留まりません。ジョイスシアターでも大人気で、彼らのチケットが取りにくいので、異例中の異例の4週間公演でした。ここでは通常のカンパニーは1週間公演が基本なのに。すごいです! 今まではモミックスは3週間公演でしたが、それでもチケットが完売だったので、今年はさらに1週間増やしたのでしょうね。人気のほどがうかがい知れます。
 (公演の休憩時間に、「私は彼らの公演の中毒になってしまって、もう何回も通っているわ。今回の公演も数回行くつもりよ」というご婦人の話し声が聞こえてきました。)

『ルナ・シー』 『ルナ・シー』

 モミックスは、モーゼス・ペンドゥルトンが自らのカンパニーとして80年代初頭に創立し、84年から芸術監督になりました。「ダンサー・イリュージョニスト」のカンパニーだと自らを呼んでいます。ペンドゥルトンは、もともと71年にピロボラス(こちらもアメリカで大人気のカンパニーです)の創立メンバーでした。彼はアメリカのバーモント州北部出身で、実家は酪農場を営んでいたそうです。広大な地平線が見えるような、広々とした自然に囲まれた環境で育ったのですね。彼の演出は、とても独特で個性的、他のカンパニーで似ているものはありません。照明の技術も素晴らしいです。個性とオリジナリティ、アートとしての完成度が、とにかく抜きん出ているカンパニーです。

『パッション』 『パッション』

『パッション』
 私が観た公演は、5月14日のプログラムA「パッション」です。以前お送りしたレポートの時と全く同じ演目なので、詳細は省きますが、マーティン・スコセッシ監督の映画、『ザ・ラスト・テンプテーション・オブ・キリスト』の音楽を使っています。すべての音楽は、ピーター・ゲイブリエル作曲のもので、全部で21曲を使っています。舞台の前面いっぱいが大きな薄いスクリーンで一面覆われていて、そこに映像が映し出され、その向こう側の舞台上でダンサーたちが踊りました。

 振付は、体操や新体操とダンスが合わさったような感じで、途中、新体操に使われる長いリボンの演技のように、リボンをくるくると回しながら踊った女性ダンサーもいました。次々に物語が代わっていくような構成で、それぞれが何かのパッションを表しているのだと感じました。女性が数人、長いドレスを着飾り、ひざを地面に付けて胸をそらし、ひざだけで歩いて進んでいくシーンもありました。
 上からつるされた2本のロープに女性が1人ずつ乗って、ロープにつかまって登ったままグルグルとすごいスピードで回る曲芸のようなことをするところもありました。