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アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターの名作集

 6月3日から8日まで、ブルックリンのBAMにて、アルヴィン・エイリーの公演がありました。彼らの50周年記念の年なので、BAMで上演するそうです。いつもニューヨークでは、彼らは年末年始にかけて、毎年恒例のシティー・センターでの公演を行なっていますが、今年はそれに加えて特別公演をしました。芸術監督はジュディス・ジャミソン、準芸術監督は茶谷正純です。
 私が観たのは、6月4日のプログラムB「ベスト・オブ」です。4つの小品集で構成されたベスト集です。平日だったのにもかかわらず会場は満員でした。

 『ザ・ゴールデン・セクション』は1983年のトワイラ・サープ振付の作品です。音楽はデイビッド・バイルンです。衣装は男性はオレンジとカーキ色が混じったようなパンツと腕輪、女性はレオタードに短いシフォンのスカートが付いているものでした。トワイラ・サープらしい振付で、目まぐるしく早い展開の踊りで、右回転と左回転を次々に入れ替えて繰り返したりしていました。ダンサーたちは大勢出演し、ダンスシューズだけで踊り、躍動感がありました。音楽は打楽器の速いリズムです。
 特に、3人の男性が1人の女性をリフトして、その女性をマリオネットのように動かして、開脚させたりしているものが印象に残りました。最後は、女性がソロで踊り、男性2人が現れて、左から右へ女性がジャンプして男性が受け止めたところで、急に“バタン!”と幕がすごいスピードで閉じて終わりました。印象的な終わり方です。

『ザ・ゴールデン・セクション』『ザ・ゴールデン・セクション』

 『ザ・グルーヴ・トゥー・ノーバディーズ・ビジネス』は、カミール・A・ブラウン振付の2007年の作品です。音楽はレイ・チャールズ、ブランドン・マックーンのものです。ミュージカルのような物語がある作品でした。街の様子で、舞台真ん中に大きな長いベンチが置かれていて、バックは街の道路から階段を降りた地下という設定でセットの壁に絵が描かれていました。みんなカジュアルな衣装でした。
 左右から男女が何人も通り過ぎたり、入れ替わり立ち代わり、ベンチに座ったり踊りながら人々が通り過ぎていきました。途中、レイ・チャールズの有名な曲「ワッツ・アイ・セイ」に乗って、ベンチに座っている男性3人と女性2人がベンチ上で動き、女性1人が新たに通り過ぎると、男性1人と女性1人がベンチから立って3人で踊りました。そして、6人みんなで同じ振付けで踊り、6人ともベンチに座りました。そしてみんなが去って、1人だけ男性が取り残されました。
 最後は男女8人がリズムの速い楽器だけのジャズに乗って、ベンチの上と外で激しく踊って終わりました。

『ザ・グルーヴ・トゥー・ノーバディーズ・ビジネス』『ザ・グルーヴ・トゥー・ノーバディーズ・ビジネス』

 休憩をはさんで最後は、おなじみの有名な作品、『リべレーションズ』です。これは1960年のアルヴィン・エイリー振付作品です。私も大好きな作品で、多くの人々が持っているアルヴィン・エイリーのダンスのイメージかもしれません。音楽はトラディショナルとだけ書いてあり、伝統的な黒人霊歌でした。頭を上げて空を見上げ、手の平を上にかかげて下ろしたり上げたりするところが多いので、みんなで祈っているような、魂を揺さぶられるように感じます。最後は、客席は感動に包まれ、立ち上がって拍手をする人々で埋まりました。

『リべレーションズ』『リべレーションズ』