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スカピノ・バレエ・ロッテルダムの小品集

4月22日から27日まで、ジョイスシアターでスカピノ・バレエ・ロッテルダムの公演がありました。私が観た公演は4月24日でした。

『The Green』
オランダのロッテルダムの、モダンダンスのカンパニーです。このカンパニーは1945年に設立されました。1992年からエド・ウッベ(Ed Wubbe)が芸術監督を務め、新鮮なビジョンをカンパニーにもたらして、新しい時代を迎えました。ウッベとともに、このカンパニーには、レジデンスの振付家であるマルコ・ゲッケとゲオルク・ライシュルがいます。ゲッケは、NYCBにも作品を提供しています。

今回上演されたのは、4つの小品集です。

最初は、『ザ・グリーン』、エド・ウッベの振付です。2006年の作品でバッハの音楽が使われていました。ダンサーは男性のみ7人です。舞台上には、一面じゅうたんのように、グリーンの人工芝生のようなものがひかれていて、それが照明で光っていました。衣装は地味なグレーの上下でした。

最初は一人の男性が出てきて踊り、2人、3人、4人とだんだん増えてきて、同じ振付で踊っていました。バロックのゆったりした4拍子の音楽のリズムに合わせて、たんたんとダンスが進んでいきました。
リフトは全く無かったです。きれいで個性的な振付でした。

『The Brides』
次は、マルコ・ゲッケ振付の『アフィ』、2008年2月初上演の作品です。ダンサーはソロで、コケグチ・タダヨシでした。このダンサーは日本名なのですが、顔の表情や雰囲気が日本人のようには見えませんでした。プレイビルによるとフレンチ・ジャパニーズだそうです。フランス生まれなのですね。すごく存在感がある素晴らしいダンサーです。この日の公演で、彼が一番印象に残っています。
振付は、すごく変わった個性的なものでした。他の振付に似ているものがなくて、ちょっと気持ちが悪いような爬虫類的な感じがする、強烈な作品でした。ダンサーにとっては、踊るのがとても難しいと思います。よく分からない振付ですが、手の平で羽ばたいたり、口笛をふいたり、細かくケイレンを続けながらふるえていたり、硬直したりしていました。
観ている者を不快な気持ちにさせるような、気味の悪い昆虫や鳥のように見える不気味な踊りでした。ダンサーの鍛えられた体の細かい筋肉の動きだけで表現するところが多かったので、見ごたえはすごくありました。

3つ目は『デ・ブルーデン』で、エド・ウッベ振付の2007年の作品です。ダンサーは女性のみ9名で、音楽はストラヴィンスキーでした。
ダンサーはみんな無表情で、寒いような冷たいような、怖い感じの振付でした。リフトはなく、平面的な踊りでした。同じ振りのくり返しが多く、単調なシーンが続いていて、それが余計に怖い感じを与え、ダンサーたちが人形のように見えてきました。
苦しみ、悲しみ、狂気を表しているような感じで、ホラーのようで怖かったです。個性的な振付で面白かったです。

4つ目は『デル・レスト・イスト・シュヴァイゲン』で、マルコ・ゲッケ振付の2005年の作品です。ダンサーは11名です。これも、2つ目の作品『アフィ』のような、気持ちの悪い、爬虫類的な個性的な振付でした。同じように、手ではばたいたり、細かくケイレンしたり、硬直したり、昆虫か鳥のような不気味な動きが多かったです。でもなかなか見応えがありました。


『Der Rest Ist Schweigen』

『Der Rest Ist Schweigen』