ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

「ダンス・アフリカ 2008」

5月23日から26日までブルックリンのBAMで、毎年恒例のダンス・アフリカの公演が行われました。これは、私が毎年楽しみにしている、大好きな公演です。観るととても元気が出ます。アメリカ国内とアフリカ本国からアフリカン・ダンスのカンパニーを招聘しています。滅多に観られない本格的な黒人のルーツのダンスです。

ニューヨークの黒人たちの、アフリカをルーツに持つ人たちの祭典で、ダンスだけでなく、音楽、映画などトータルにいろいろな作品が上演されるお祭です。この期間は、BAMの周りが歩行者天国になっていて、テントがたくさん張られ、たくさんの出店があります。ソウルフード、カリビアンフード、CDなど黒人音楽、Tシャツやアフリカンのお洋服やアクセサリーなどなど、たくさんのカラフルな楽しい出店でした。(私も休憩時間にチェックして、アトランタから来ていた黒人アーティストのハンドペインティングのTシャツを1枚購入しました。)

ダンス公演は、とても見応えのある本物のアフリカン・ダンスで、すごく土着的な踊りで、圧巻でした。企画、司会進行は、芸術監督を務める、ババ・チャック・デイヴィスで、この方がまたすごく味を醸し出しています。縦横ともにとても身体の大きな男性で、スソの長いダボッとしたアフリカンの民族衣装と帽子を着てでてきて、すごく大きな声で、底抜けに明るく、元気で陽気で、太陽のような方です。観ているだけで楽しくなるような人物です。こういうキャラクターは、アメリカ人にも日本人にも絶対にないような底抜けの明るさがあります。

ダンス公演のプログラムの内容は、毎日少しずつ違っていて、きっと何日も連続で観劇するような方もいらっしゃることでしょう。私が観たのは24日の公演です。
まず、ハーレムのコミュニティに1960年に作られたラロック・ベイ・スクール・オブ・ダンス・シアター・インクが出演しました。これは、アメリカで最も古いアフリカン・ダンスの学校です。この日の作品は、多岐に渡るプログラムを踊っていました。衣装はオレンジとグリーンのものでした。音楽は生演奏で、9名のパーカッショニストたちが舞台後ろで、太鼓をガンガンたたいていて、迫力があり、音が身体に響いてきました。踊りも本格的で、アフリカの先住民のような、動物的な激しいものでした。途中、衣装も7名の女性たちが腰ミノをつけて出てきていました。衣装までアフリカの先住民のような格好で、本格的でした。みんな、全身リズムのかたまりのようなすごいリズム感でした。
最後はブードゥーをやっていました。全身毛むくじゃらのような腰ミノで全部が覆われたような怪物がでてきて、床に寝そべって死んでいるような女性ダンサーたちに手を振りかざすと、ダンサーたちは起き上がって、怪物の手の動きに合わせて、マリオネットのようにあやつられて手足を動かしていました。アフリカの伝説の、死体を蘇らせるブードゥー教を表現していました。

次はGiwayen Mataというアトランタから来た女性たちだけのダンスカンパニーが踊りました。
女性3名が腰にジンベというアフリカの太鼓をぶら下げてでてきて、それをたたきながら歩いていました。女性なのにとても力強い音が出ていて上手でした。大勢のダンサーたちも出てきて踊りました。 太鼓の演奏のバトルも繰り広げられました。すごく早いアフリカのリズムで、とても迫力がありました。

第二幕は、ガンビアから招聘されたCeesay Kujabi and the Bachnabというダンス・カンパニーです。赤、白、青の衣装でした。男女のダンサーたちが大勢踊り、太鼓ももちろん生演奏で9名もパーカッショニストがいました。全身に腰ミノをつけたようなものを頭からかぶった怪物がでてきていました。30名くらいのダンサーたちがでてきてダンスバトルを繰り広げ、圧巻でした。途中、一人の男性が、ヒザくらいまである大きなツボのようなウスのような重たいものを口でくわえて持ち上げて、両手を離してぶんぶん振り回していましたが、アフリカ的なワイルドな感覚を表現しているようでした。

最後は、フィナーレで出演者全員が出てきて、すごい迫力でした。