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ハンブルク・バレエ団のノイマイヤー振付『ベニスに死す』


ノイマイヤー振付
「ベニスに死す」
 2月7日から10日まで、BAMにて、ハンブルク・バレエ団の『ベニスに死す』の公演が行われました。チケットはソールドアウトでした。久しぶりのハンブルク・バレエのNY公演だったので、観劇するのをとても楽しみにしていました。日本人ダンサーは2人いて、大石ユカ、草野ヨウスケです。

 芸術監督、振付は、ジョン・ノイマイヤーです。彼は、この作品で、衣装デザイン、舞台デザイン、ライティングデザインのコンセプトも手がけています。とても才能あふれる方ですね。彼についての経歴や情報は、以前のハンブルク・バレエNY公演のレポートに記述しましたので、詳細は省きます。天才と称される振付家の一人です。

 舞台セット、振付、演出の構成ともに素晴らしい作品でした。振付家が主人公なので、レッスン場は、舞台上に壁が2重に置かれていて、奥に大きな鏡の壁、手前に左右に分かれてその鏡が見えるように白い壁が重なっていました。奥の大きな鏡の壁に、ダンサーたちが次々に映っていくのですが、私たちの客席奥のほうまでがその鏡に映っていて、不思議な感じで面白かったです。美しい場面でもありました。使われている音楽も素晴らしくて、バッハとワグナーの古典でした。ハープシーコードの音色が中心のバロック音楽です。

 ベニスの場面では、舞台後ろの壁に、水面に浮かぶ木の枝(柱)が数本描かれ、それだけでベニスの様子を表現していました。シンプルでもよかったです。
 振付も素晴らしかったです。クラシックバレエベースですが、個性的でした。
 ベニスで最後に主人公の振付家が死んでいくシーンでは、おそらく死神のような2人組の男性がブドウを持って現れ、それを彼に渡しました。だんだん、振付家の白いシャツの前はブドウがつぶれてきて色がたくさんついていきます。その様子が、まるで血まみれになっていくように見えました。いいアイデアだと思いました。
 その彼の周りでは、トラ柄の下着のような短い衣装をつけた大勢の男女が、後ろの方でかたまってうごめいたり踊っていて、まるで死神の幻や影絵のようでした。死にゆく雰囲気がよく出ていました。


ノイマイヤー振付
「ベニスに死す」

 

ノイマイヤー振付
「ベニスに死す」