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ダンサーの質が高いABTの小品集

10月18日から11月5日まで、ABTの毎年恒例のシティーセンター公演が行われました。シティーセンター公演では、ふだんの公演と違って様々な現代の振付家の作品が小品集で上演されます。ABTのとてもレベルが高いダンサーたちが、現代の振付作品を踊るので、コンテンポラリーやモダンでも、とても見応えがあります。さすがダンサーの質が高いです。

 私が観た日は20日の公演でした。その日は、鍛冶屋百合子も出演していました。
 一つ目は、ジョージ・バランシンの『シンフォニー・コンチェルタンテ』。1947年の作品です。モーツァルトの曲が使われていました。ジュリー・ケント、パロマ・ヘレーラが主役で踊りました。女性2人のペアで踊るところが多かったです。途中、王子さま1人と女性2人の3人で、リフトをしながら踊るところがあり面白かったです。いつも思いますが、ジュリーの手や首の動かし方が繊細で、羽のように軽やかで美しかったです。鍛冶屋百合子もとても目立つ役で出ていました。

 『ドリンク・トゥー・ミー・ウィズ・シン・アイズ』は、マーク・モリスの振付、1988年の作品です。女性の衣装は白いテロンとした生地の短い丈のワンピースを着で、エンジェルのように見えました。手はアン・オーではなく、手先をクロスさせバッテンにして踊っていました。右回転の直後に左回転を入れることを繰り返していたので、踊りにくいだろうなと感じました。とても面白い振付でした。

 『イン・ザ・アッパー・ルーム』は、トワイラ・サープの振付で、1986年の作品です。こちらは前に一度観たことがある作品ですが、息を呑むような目まぐるしく早い展開と迫力に、圧倒されます。素晴らしい振付です。鍛冶屋百合子も目立つところに出ていました。パジャマのような縦のストライプの短いワンピースのような衣装に、赤いトウシューズかスニーカーで踊っていました。繰り返しの電子音楽に乗って、舞台の右から左から、ダンサーたちが次々と速い振付で現れては消え、走馬灯のような速さで、圧倒的な振付の作品でした。とても見応えがあって、2度目に観た方が感動しました。終演後、客席は総立ちで拍手を送っていました。