ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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ヤスミーン・ゴッダーの『ストロベリークリーム・アンド・ガンパウダー』

 リンカーン・センター・フェスティバルで、ヤスミーン・ゴッダー&ザ・ブラッディー・ベンチ・プレイヤーズの、『ストロベリークリーム・アンド・ガンパウダー』の公演が7月27日、29日に行われました。

これも、コンテンポラリー・ダンスのひとつなのでしょうけれど、ダンスのジャンルといえるのかどうか、私にはよく分からない作品でした。振付としてみても、何一つ難易度の高いものはなく、簡単な動きばかりで、内容も、喧嘩や叫び、噛み付いたり泣いたりといった苦しいものばかりでした。演劇の要素がとても強い作品で、ダンスとは言いがたいと思いますが、それでも今回のこのフェスティバルで、音楽・演劇・ダンスのジャンル分けの中で、彼らのこの公演はダンスの部門として上演されていました。時々、ほかの公演でも感じますが、ダンスと演劇の境目がほとんど無いような作品がよく見受けられます。長いダンスの歴史の中で、ダンスと一口に言っても、さまざまなジャンルのダンスが枝分かれして発展してきて、育っていったのでしょう。

ヤスミーン・ゴッダーは、イスラエル出身で、11歳から両親とニューヨークに移り住み、そこでダンス教育を受けた後再びイスラエルに戻り、現在はテル・アビブに在住し活動しています。数々の振付の賞を受賞し、世界中で公演をしており来日したこともあります。

この作品のテーマは、ロール・プレイングだそうです。彼女が住んでいるイスラエルで毎日のように起こっているニュースで伝えられる出来事(爆弾や戦争やテロのこと)を表現しています。ですから、苦しみや悲しみ、叫びが多く、観客、鑑賞後に重く暗い気持ちを引きずるような公演でした。