ワールドレポート

東京

ワールドレポート ~世界のダンス最前線~ From Tokyo <東京>

東京の記事一覧

悲劇のドラマをいっそう深めた緻密な演出、井上バレエ団100回公演『ジゼル』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi井上バレエ団関直人 振付、ブリュノ・コーアペ 脚色・演出『ジゼル』井上バレエ団は第100回公演(井上博文によるバレエ劇場50回、井上バレエ団50回)を迎えて、ピーター・ファーマー美術による『ジゼル』を上演した。そして同時に出産のため舞台活動を休止していたプリマバレリーナ島田衣子の本格的復帰公演となった。(他日公演は宮嵜

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/08/10掲載

登場人物の把握に優れたダンサーたちによる楽しい舞台だった『真夏の夜の夢』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi東京シティ・バレエ団中島伸欣 台本・演出、中島伸欣、石井清子 振付『真夏の夜の夢』東京シティ・バレエ団の『真夏の夜の夢』は、2003年に提携したティラこうとうで初めて上演した全幕バレエだが、とても楽しい舞台に仕上がっている。特に第2幕の構成は、無駄がなく密度があってかつ物語の展開自体が活き活きとしていて、心楽しく見られ

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/08/10掲載

洗練されたプログラム構成だった「下村由理恵バレエ・リサイタル」

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi SekiguchiDANCE for Life 下村由理恵バレエ・リサイタル2012下村由理恵 振付『水の精霊』、篠原聖一 振付『Charlie』『Adagietto』『Season』下村由理恵バレエ・リサイタルがDANCE for Life主催により、8年ぶりに青山円形劇場で開催された。下村由理恵振付『水の精霊』、篠原聖一振付『Cha

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/08/10掲載

死を迎える準備、とは、とことん生ききること、黒田育世の新作

ワールドレポート/東京浦野 芳子text by Yoshiko Uranoふじのくに⇄せかい演劇祭2012黒田育世 構成・演出・振付『おたる鳥をよぶ準備』疾走し続けるダンサーたちが、跳ぶ、叫ぶ、倒れる。舞台を無邪気に転がるボール、遠慮なく舞い上がる羽、勢いよく放水するゴムホース。いつもながらにエネルギー全開、身体も心も切ないほどにギリギリまで使い切る黒田育世の世界が、今回は野外劇場と言う場を得てさ

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/08/10掲載

魅力的で忘れ難い女性的なセンスが光るプロジェクト大山の新作『みんなしってる』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchiプロジェクト大山古家優里 構成・演出・振付『みんなしってる』ダンサー全員がお茶の水女子大学卒業のキャリアを持ち、独特の水着とキャップを冠った衣裳で踊ることで知られるダンス・グループ、プロジェクト大山の新作『みんなしってる』を観た。構成・演出・振付はこのグループの主宰者、古家優里。プロジェクト大山の特徴は、その奇妙で強烈

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

ナポリの陽光を感じたマシモ・アクリ振付『Tarantella Napolitana』ほか

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi東京シティ・バレエ団ラフィネ・バレエコンサート 2012東京シティ・バレエ団は東京都江東区と芸術提携を結び、年4回、テイアラこうとうでバレエ公演を行っている。それに基づき「ラフィネ・バレエコンサート2012」も公益財団法人江東区文化コミュニティ財団が主催する公演となっている。今回のラフィネ・バレエコンサートは、ゲスト振

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

ヴァーチャルな映像を駆使したシュールな舞台

ワールドレポート/東京佐々木 三重子text by Mieko SasakiSysteme Castafiore "Stand Alone Zone"システム カスタフィオール『スタンド・アローン・ゾーン』精巧なCG映像と舞台上のパフォーマンスを巧みに交錯させたファンタスティックな作品で知られる、フランスの実験的なカンパンニー「システム カスタフィオール」が初来日。行き過ぎた産業開発や環境破壊への

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

色彩豊かなコメディ・バレエの傑作『コッペリア』をプティパ原典版より復元

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi SekiguchiNBAバレエ団セルゲイ・ヴィハレフ復元のマリウス・プティパ原典版による安達哲治:演出・振付『コッペリア』『コッペリア』全3幕は1870年に、振付がアルチュール・サン=レオン、音楽はレオ・ドリーブ、原作はE.T.A.ホフマン『砂男』、台本はシャルル=ニュイッテルにより、パリ・オペラ座で初演された。1884年にはマリウス・

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

悲劇の中の一瞬の救い、プリセツキー&牧阿佐美版『ロメオとジュリエット』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi牧阿佐美バレヱ団アザーリ・プリセツキー、牧阿佐美 演出・振付『ロメオとジュリエット』牧阿佐美バレヱ団の『ロメオとジュリエット』は、1995年にアザーリ・プリセツキーと牧阿佐美が振付けた。プリセツキーはロシアの芸術家を輩出している一家の出身で、名バレリーナとして知られるマイヤ・プリセツカヤの弟である。牧阿佐美バレヱ団は『

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

リアルで説得力があったフォーゲルのジークフリート、クランコ版『白鳥の湖』

ワールドレポート/東京佐々木 三重子text by Mieko SasakiStuttgart Ballet シュツットガルト・バレエ団John Cranko "Swan Lake" ジョン・クランコ振付『白鳥の湖』『白鳥の湖』は、クランコが1961年にシュツットガルト・バレエ団の芸術監督に就任して間もない1963年の作品である。ちなみに『じゃじゃ馬馴らし』は1969年の作品。クランコ版は原作の大

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

笑いの中に人生の教訓も盛り込まれた絶妙の振付『じゃじゃ馬馴らし』

ワールドレポート/東京佐々木 三重子text by Mieko SasakiStuttgart Ballet シュツットガルト・バレエ団John Cranko "The Taming of the Shrew" ジョン・クランコ振付『じゃじゃ馬馴らし』ドラマティック・バレエの巨匠、ジョン・クランコの遺産を継承するドイツの名門、シュツットガルト・バレエ団が4年振りに来演した。来日は9回目だが、クラン

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

微妙な女性の心理と一途な男の愛を小野絢子と福岡雄大が熱演した大作『マノン』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi新国立劇場バレエ団ケネス・マクミラン振付『マノン』新国立劇場が初めて上演したケネス・マクミラン振付の『マノン』全幕を観た。2003年新国立劇場は『マノン』を当時の芸術監督牧阿佐美の下に初演している。その際は、美術と衣裳はニコラス・ジョージアディスだったが、今回はピーター・ファーマー。出演者も初演時は、アレッサンドラ・フ

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/07/10掲載

鮮やかな振付と自然な演出が際立ったスターダンサーズ・バレエ団『シンデレラ』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchiスターダンサーズ・バレエ団演出・振付:鈴木稔『シンデレラ』スターダンサーズ・バレエ団の『シンデレラ』。鈴木稔が新たに振付けたこのヴァージョンはたびたび上演されているなかなか人気のある舞台だ。特に第二幕の宮殿のシーンは見事に振付けされている。独特のリズムのプロコフィエフの曲の流れを完璧に把握して、物語のディテールを展開し

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/06/11掲載

さらに若々しく新しい役創りに邁進する森下洋子主演の『コッペリア』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi松山バレエ団構成・演出・台本・振付:清水哲太郎『コッペリア』『コッペリア』または『Festival de la Renaissance』〜復興祭〜松山バレエ団が新た構成・振付けた『コッペリア』または『Festival de la Renaissance』〜復興祭〜(全3幕8場)を上演した。松山バレエ団の『コッペリア』上

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/06/11掲載

スペクタクルな展開の中に原典の精神性を甦らせた説得力ある熊川哲也版『海賊』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi SekiguchiK-BALLET COMPANY熊川哲也 演出・再振付『海賊』『海賊』は英国ロマン主義の詩人、バイロンの叙事詩に基づいてジョゼフ・マジリエが振付け1856年パリ・オペラ座で初演した舞台から、様々に変転して上演されてきた。そこにはかつてのバレエの上演者たちによる恣意的な変更もあったし、芸術的に全体性を整えた作品もいくつか

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/06/11掲載

マニュエル・ルグリがひょうきんなウルリック役で鮮やかに転身

ワールドレポート/東京佐々木 三重子text by Mieko SasakiWiener Staatsballett ウィーン国立バレエ団Roland Petit "Die Fledermaus" ローラン・プティ振付『こうもり』新芸術監督マニュエル・ルグリの下で28年振りに来日を果たしたウィーン国立バレエ団。〈ウィンナー・ガラ〉と銘打ったAプロでは、現代作品を含む多彩な作品群で"新生バレエ団"を

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/06/11掲載

小野絢子&福岡雄大が中国人ペアと競演した、新国立劇場『白鳥の湖』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchiマリウス・プティパ、レフ・イワノフ振付、牧阿佐美 演出・改訂振付『白鳥の湖』新国立劇場新国立劇場の『白鳥の湖』は、開館当初の1998年のシーズンから、ナタリア・ドゥジンスカヤが監修したコンスタンチン・セルゲイエフ改訂振付版が上演されていたが、現在は2006年に牧阿佐美が演出・改訂振付けしたヴァージョンがレパートリーとな

  • #ワールドレポート
  • #東京

2012/06/11掲載

ビントレーの本領が発揮され始めた、新国立劇場バレエ団『アラジン』

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchiデヴィッド・ビントレー:演出・振付『アラジン』新国立劇場バレエ団デヴィッド・ビントレーが2008年に新国立劇場バレエ団のために振付け、世界初演した『アラジン』が再演された。アラジンは山本隆之、プリンセスは本島美和、そして八幡顕光と小野絢子という2組のペアを観た。ともに初演を踊っているダンサーだ。再演になって新国立劇場バ

  • #ワールドレポート
  • #東京

2011/06/10掲載

珍しいキノコ舞踊団のメランコリックな踊り

ワールドレポート/東京関口 紘一text by Koichi Sekiguchi伊藤千枝 振付・構成・演出『私が踊るとき』珍しいキノコ舞踊団最近気が付いたのだが、珍しいキノコ舞踊団の公演を観にいくときは、ほかの舞台を観に行くときよりもいくらか心がウキウキしている。それはやはり、何はばかることなく女の子の気持ちをじっくりと観察、鑑賞できるからかもしれない。しかし、とは言え彼女たちもぐっと大人になった

  • #ワールドレポート
  • #東京

2010/02/10掲載

ページの先頭へ戻る