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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2010.03.10]

カルメンを踊った志賀育恵の魅力的な現代的感覚

中島伸欣 台本・構成・演出、中島伸欣、石井清子 振付『カルメン』
東京シティ・バレエ団
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東京シティ・バレエ団の『カルメン』は、中島伸欣がプロスペロ・メリメが1845年に発表した原作小説を、現代日本に舞台を移し替えて全2幕のバレエにしたもの。2006年に初演されたが、今年の都民芸術フェスティバルに再演されることになった。

現代版の『カルメン』の舞台は、経済と直結した貴重な情報が生命線ともなっている製薬会社。志賀育恵が演じるカルメンは優秀なOL、黄凱が扮したドン・ホセはその会社の警備員と設定されている。
カルメンは会社の貴重情報を勝手に取り出して、情報ブローカーに売りさばいていたが、ある時ホセに現場を見つかる。しかしカルメンはホセを薬籠中のものとし、挙げ句の果ては彼に罪を擦り付けてしまう。さらにカルメンは、小林洋壱が演じる花形システムエンジニアに惹かれてホセを見捨ててしまう・・・といったストーリー展開である。
音楽は福田一雄が編曲し、ビゼーの他の曲に新しい曲も書き加えている。オフィスや携帯電話の現実音なども時折、挿入されている。

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中島は現在の女性像を求めていって『カルメン』に行き着いたそうだ。古典をその時代に即して描いて現れる女性像と、現代的シチュエーションの中から現れる女性像は姿は異なるかも知れない。しかしドラマの構造を構成している本質は変わらないだろう。
オリジナル・キャストである志賀育恵は良く踊った。演技とダンスのバランスの取り方が断然うまかったし、現代的な感覚もなかなか魅力的に表していた。
(2010年6日 新国立劇場 中劇場)

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撮影:寺田真希
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