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新国立劇場バレエ団が2026/27シーズンのラインアップを発表

ワールドレポート/東京

関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi

さる1月20日、新国立劇場オペラパレスのフォワイエで吉田都芸術監督が新国立劇場バレエ団の2026/27シーズンのラインアップを発表した。
それによると2026/27シーズン・バレエ&ダンス ラインアップは
・『街の灯』(新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演)アラスター・マリオット:振付
・DANCE to the Future 2026 (木下嘉人の新作を予定)
・『くるみ割人形』ウィル・タケット:振付(レフ・イワーノフ現振付による)
・『ラ・シルフィード』オーギュスト・ブルノンヴィル:振付/『精確さによる目眩くスリル』ウィリアム・フォーサイス:振付
・小㞍健太新作(新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演)
・『ホフマン物語』ピーター・ダレル:振付
・『ロメオとジュリエット』ケネス・マクミラン:振付
・『ドン・キホーテ』マリウス・プティパ / アレクサンドル・ゴルスキー:振付、アレクセイ・ファジェーチェフ:改訂振付
・『喧嘩(仲直り)』伊藤郁女:振付
そのほかに<こどものためのバレエ劇場2027>として『竜宮~亀と姫と季の庭』(森山開次:振付)も予定されている。また、ロンドン公演凱旋企画として『ジゼル』の福岡、神戸公演も行われる。

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2026/27シーズの注目作品は、やはり『街の灯』だろう。チャールズ・チャップリンのサイレント映画の代表作のバレエ化である。チャップリンは、自身が作曲し『モダン・タイムス』や『ライム・ライト』などで名曲を残したことでも知られるが、作曲家としても優れていた。そしてチャップリンの演技には、独特の音楽性があるところにも大きな魅力があった。
アラスター・マリオットが振付けるバレエ『街の灯』では、サイレント映画にチャップリンが手がけた曲をティモシー・ブロックがオーケストラのために編曲した音楽を使用するそうだ。
また、チャップリンの芸術を題材としたバレエには、ローラン・プティが振付けた『ダンシング・チャップリン』があり、草刈民代とルイジ・ボニノが出演して映画化もされている。
その他の全幕ものはすべて再演で、『ロメオとジュリエット』は吉田都芸術監督となってから初めての再演である。ダンスの舞台では、小尻健太が新作を発表し、DANCE to the FUTUREのアドヴァイザーも務めることになっている。

吉田都芸術監督は2020年9月1日より芸術監督を務めてているが、就任当初はコロナ禍の最中で全くと言っていいほど思うような活動ができなかった。近年はやっと、自身の思いを込めた活動を展開できるようになっているのであろう。先日もNHKで放映されたが、英国のコベント・ガーデンで自らが演出しアラスター・マリオットが振付けた『ジゼル』を新国立劇場バレエ団により上演し喝采を博した。実際、素晴らしい舞台だった。
その『ジゼル』のほかに全幕バレエでは、吉田都芸術監督はピーター・ライト版『白鳥の湖』、ウィル・タケット『くるみ割り人形』を新製作している。また、多くの新国立劇場バレエ団のレパートリーの全幕ものを再演している。敢えて再演されていない作品をあげれば、ローラン・プティ振付『こうもり』、レパートリーに入っているかどうかはわからないが、デヴィッド・ビントレー振付『シルヴィア』『パゴダの王子』などであろう。再演するためには上演時の実績、著作権の問題、適切な指導者がいるかどうか、などいろいろと問題があるだろう。ただ、個人的にはローラン・プティの『こうもり』とデヴィッド・ビントレーの『シルヴィア』(1993年に吉田都監督が初演を踊った)は是非とも再演して欲しいし、新国立劇場バレエ団のレパートリーに残しておいて欲しい、と思う。

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