ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Paris <パリ>: 最新の記事

From Paris <パリ>: 月別アーカイブ

渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2005.11.10]

●セルジュ・リファールの映画とパトリック・デュポンのドキュメンタリー番組

  今年は、パリ・オペラ座の発展に大きく貢献した偉大な舞踊家セルジュ・リファールの生誕100年に当たっている。これを記念して、バレエのドキュメンタ リー映画を数々制作してきたドミニク・ドゥルーシュが、『ミューズを導くセルジュ・リファール』と題した約一時間半の映画を制作。9月下旬のテレビ放映の 後、シャンゼリゼの映画館エリゼ・リンコルンでの上映も予定されている。

 この映画は、ドゥルーシュ自身の語りで進められ、イヴェット・ショヴィレやジャン・バビレ、セルジュ・ペレッティ、ニナ・ヴィルボヴァ、ジャニーヌ・ シャラなどの貴重な証言を交えながら、リファールが振付または改訂を行った12のバレエを通して、リファールの偉業を偲んだもの。取り上げられた作品は、 『バー』『イカール』『イスタール』『騎士と姫君』『レ・ミラージュ』『ショタ・ルスタヴェリ』『ノテオス』『ガルニエを讃えて』『フェードル』『牧神』 『オルフェ』『ジゼル』。ドゥルーシュのこれまで製作したバレエ映画からの抜粋も含めた見応えある内容となっている。出演は、クロード・ベッシー、アッ ティリオ・ラビス、シリル・アタナソフ、イザベル・ゲラン、モニク・ルディエール、マニュエル・ルグリ、マリシア・ハイデ、デルフィーヌ・ムッサン、ヤ ン・サイズ、ジュリアン・メザンディ、ステファン・ブリヨン他。


『ミューズを導くセルジュ・リファール』

『ミューズを導くセルジュ・リファール』

 “パトリック・デュポンは今、どうしているの?”


 このようなファンの声に応えるかのように、デュポンのドキュメンタリー映画『パトリック・デュポンー挑戦』が10月にテレビで放映された。この番組は、 2004年3月にオペラ・ガルニエで企画されたオペラ座バレエ学校校長クロード・ベッシーの引退記念公演に、デュポンがベジャールの『サロメ』で登場した 際の“カムバック”の模様をカメラで追ったもので、恩師のベッシー校長から出演の依頼を受け、無二の親友であるジャン=マリ・ディディエールが見守る中、 オペラ座バレエ学校のスタジオで、リハーサルを繰り返し、公演当日を迎えるまでを中心に構成されている。



 映像は、デュポン自身がキャリアを振り返りながら進められ、マックス・ボゾニの元で、バレエを始め、17歳でヴァルナ国際コンクールに優勝、様々な振付 家やパートナーとの出会いについてエピソードなどが語られる。ノエラ・ポントワとの『ドン・キホーテ』やモニク・ルディエールとの『ロミオとジュリエッ ト』、マリ=クロード・ピエトラガラとのプティ振付『カメラ・オプスクラ』、そして、デュポンの代名詞のようなベジャール振付『サロメ』などの映像が交え られ、全盛期から現在に至るデュポンの舞台姿が収められているのがうれしい。



 ベッシー校長の記念公演から半年後、デュポンは、とある稽古場で、一人の少女を指導している。デュポンの夢は、バレエ学校を開くことだそうだが、彼はこれからどこへ行くのか。番組を見終わっても、やはり彼の今後が気になるのである。