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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2005.02.10]

●カールソン、リンケ、ノワレ、スコッジ、女流振付家の話題

 フランスでは、このところ、女流振付家の話題に花が咲いている。まず、昨年12月、しばらくトップが決まらなかったバレエ・デュ・ノールの新しい芸術監 督に、カロリン・カールソンが任命された。 フランス北部のルベに本拠を置くバレエ・デュ・ノールは、2年前、芸術監督のマリーズ・ドゥラントが、団員と対立してやめて以来、一時、ジャン・ギゼリッ クスが赴いたり、 ジョゼ・モンタルヴォとドミニク・エルヴュに白羽の矢が立ったりしたが、結局折り合わず、成り行きが懸念されていた。 このバレエ団は、90年代にプレルジョカージュが芸術監督に任命された際も、団員の抵抗があり、実現しなかった複雑な経緯がある。 国際的に広く活躍してきたカールソンが、このカンパニーをどう立て直していくか注目される。

 また、2月のオペラ座バレエ団公演<リンケ/ノワレ/スコッジ>プロ(2月3日~24日ガルニエ)では、ドイツ人のスザンネ・リンケ、ベルギー人のミ シェル・ノワレ、 イタリア人のラウラ・スコッジという3人の女流振付家の作品を一晩にまとめているのが話題。オペラ座でも珍しいプログラミングだが、これは、単なる偶然で はなく、 舞踊監督のブリジット・ルフェーヴルのヴィジョンで発案された企画で、作品こそ発表しないものの、ルフェーヴルも4人目の影の”振付家”といえるかもしれ ない。

 スコッジがクルト・ワイルの『七つの大罪』に振付けた同名のバレエは、2001年に、ボリス・コフノの夕べで初演され、今回が再演。 おめでたで休演していたエリザベト・モランとクレールマリ・オスタが、主役のアンナIIで久々に舞台復帰する。”オペラ座のダンサーは、雲の上の存在で、 30人ものダンサーを前に緊張したけれど、前回とはメンバーが少し変わっていて、一人一人様々なので、再演の機会をもらえてとてもうれしい”とスコッジ。

 リンケが、オペラ座に振付けにきたのはこれが初めてではない。1988年に、GRCOP(パリ・オペラ座振付研究グループ)のために作品を作っている が、 当時と今を比べて、”前は、私の言ったことが理解できないといった様子だったが、今の人たちは、率直で何でも受け入れる姿勢が違う”と話し、 とりわけ今回の新作『私は…』のソリストであるウィルフリード・ロモリは、卓越した表現力の持ち主で素晴らしいと絶賛。

 オペラ座に初めて招かれたミシェル・ノワレは、ベジャールのムードラ出身で、ドイツの作曲家シュトックハウゼンとのコラボレーションや、ビデオを使った 振付作品で、近年フランスでも脚光を浴びている。 新作のタイトルは、『Les Familiers du labyrinthe(レ・ファミリエ・デュ・ラビラント)』。トドール・トドロフのオリジナル音楽とビデオを使用しながら、未知なる時空間を追求してみ たいと話す。 ノルウェン・ダニエルとバンジャマン・ペッシュがソリストとして出演。
 公演の模様は、次号でお届けします。