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斎藤 珠里 text by Julie Saito 
[2008.06.10]

マルセイユ国立高等バレエ学校デモンストレーションから


パリ・オペラ座でも毎年5月ごろ、バレエ学校のデモンストレーションが行われ、各クラスの授業風景を見せている。過去にマチュー・ガニオやマチルド・フ ロスティが在籍したマルセイユ国立高等バレエ学校には昨年、パリ・オペラ座のプルミエ・ダンスールだったジャン=クリストフ・パレが校長として就任、カリ キュラムの大改革が行われている。オペラ座よりも自由な校風、クラシック技術を磨くことをベースにしながらも、コンテンポラリー・ダンスとの融合を図る試 みがなされているという。
今回の学校デモンストレーションでも第一部ではクラシックバレエを見せたが、第二部でフォークダンスや創作、バロック、イサドラ・ダンカンをイメージした作品、第三部では上級学年によるコンテンポラリーダンスが披露された。
パリ・オペラ座バレエ学校と異なる点は、男女が同比率いないことだ。女子は基礎レベルが6学年に分かれているが、男子は10歳~14歳あたりを対象にし た初級と、15~17歳あたりが在籍する上級の二クラスで構成されている。人数的にも男子はパリ・オペラ座よりも格段に少ないが、パレ校長がテコ入れをし て指導しているという。全体を通して、クラス内に力のバラつきが目立ったが、パリ・オペラ座バレエ学校のレベルに匹敵すると思われる生徒たちもいた。
作品の中で印象に残ったのは、第二部で踊られた『ダフニスとクロエ』。男女ともに粒がそろった動きで、音楽によく溶け込んだ振付でラヴェルの印象的な世 界を描いていた。第二部のとりを飾った『レ・シルフィード』に出演したプロフェッショナル・クラスでは、5人の女子のうち、2人が日本人で、いずれも技術 的に傑出していたが、表現力の点ではもう少し優雅さがほしかった。ショパンの曲を生演奏したのは、学校でも人気の高いピアニストのヒロシ・イワモト。日本 人の活躍が目立つデモンストレーションだった。