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大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長)
Text by Mariko OMURA 
[2015.03.13]

オペラ座ダンサー・インタビュー:マルク・モロー

Marc Moreau マルク・モロー(スジェ)
2006年に収録されたマニュエル・ルグリによるスーパー・バレエ・レッスンで、シャルリーヌ・ジザンダネと共に『優しい嘘』の生徒だったマルク・モロー。当時はカドリーユだったが、今やスジェとなり、上層部の期待を担うダンサーの一人である。最近はジョン・ノイマイヤーの創作『大地の歌』で、ソロを踊る機会にも恵まれた。

昨年のオペラ座来日公演『ドンキホーテ』では、ジプシーの首領役を踊っている。その姿に彼の順調な成長を喜んだ日本のバレエ・ファンもいたことだろう。 オペラ座バレエ団の芸術監督就任以前からバンジャマン・ミルピエの信頼が厚い彼。先日怪我で降板したエルヴェ・モローに代わり、オーレリー・デュポンの相手を急遽ながらも頼もしく務め話題となった。

Q:2月のオペラ座公演『ポール、リガル、ロック』のトリプル・ビルに追加されたミルピエ振付の『Together Alone』を、突然、初日から踊ることになったのですね。

A:そうなんです。初日を踊ることになるなんて、これはもう全くの驚きでした。オーレリー・デュポンと踊る予定だったエルヴェ・モローが初日当日に怪我をしてしまったからなんです。僕はこの公演が始まって2週間くらいしてから、レティシア・ガロニとこれを二回踊ることになっていて、初日の段階ではまだレティシアとリハーサルもしてない状態で・・。振付をなんとなく覚えた、という程度だったんです。というのも、この作品をバンジャマンがオーレリーとエルヴェのために創作したのは、今年の1月前半、まだ僕たちがバカンス中に催されたガラ公演のため。だから創作時には立ち会っておらず..。こうして突然初日に踊ることになって、実に激しい半日を過ごしました。その日の15時に僕が踊ると決まって、1時間の間に3度リハーサル。そして、19時30分の公演前に、覚えたてで記憶がフレッシュなときにオーレリーとリハーサル。それまで彼女とはパ・ド・ドゥを踊ったことがなかったのだけど、けっこう上手くいったんですよ。

Q:たいそうなストレスがあったのではないですか。

A:いや、そんなことを感じる時間すらなかった。時にこうした状況のほうがいい、ということがあるわけですね。僕、実のところ、こういう状況にはけっこう慣れているんです。なぜって、何度もこうして代役で踊ることがあったので。それも、なぜかミルピエ作品のときになんです。最初が『トリアード』。これはジェレミー・ベランガールが初日の4日前に怪我をしてしまって、それで、僕がレティシア・プジョルと踊ることになりました。ミルピエの『ダフニスとクロエ』ではアマンディーヌ・アルビッソンはマチアス・エイマンと踊ることになっていたのだけど、彼が公演まで後1週間というところで怪我をして降板。それで僕は1週間でダフニスの振付をアマンディーヌと稽古したんです。バンジャマンとはいつもこんな過激な状況で仕事をしてるんです。でも、僕が良い舞台をみせられるのって、常にこうした時のような気がします。考えたりする余裕がなく、やるしかないという状況のせいかもしれません。

Q:バンジャマン・ミルピエから信頼されていると感じられるせいもあるのではないでしょうか。

A:それは確かですね。彼って信頼してやる気を起こさせるっていうことに、すごく長けてる人なのですよ。安心させ、自信を持たせることに。彼がかけてくる言葉は、こちらに考え直させる力があると同時に安心もさせてくれるんです。これって大切なことですね 。

pari1503c_01.jpg 「プシケ」
photo Sébastien Mathé/Opéra national de Paris

Q:オーレリーとは過去に何かの舞台で一緒に踊ったことはあったのですか。

A:二人でというのは『Together Alone』が初めてだったけど、彼女とは昨年一緒に舞台を務めています。勅使川原三郎振付の『Darkness is hiding black hoses』でです。この時も、僕、代役だったんです。ニコラ・ル・リッシュが公演前の午後のリハーサルで怪我をしてしまい、その晩に僕が踊らなければならない!となったんです。この作品のリハーサルには最初から代役として参加をしてたけど、ぼくはどちらかというとジェレミー・ベランガールの踊るパートに集中していて・・・。でも、怪我をしたのはニコラの方で・・。その晩、オーレリーとジェレミーと3人で踊りました。

Q :『Together Alonge』でオーレリーとどのように上手くいったのですか。

A:オーレリーというのは僕たちの世代にとって大スターであって、ダンスのアイコンです。そのセンシビリティ、動きへのアプローチという点で模範となるダンサーです。彼女って、信じられないダンスの才能の持ち主。彼女と踊るというのは夢だったんですよ。とても寛大な女性で、忍耐強さもあり、また優しさもあり・・・。彼女も僕が自信を持てるような言葉をかけてくれるんです。オーレリーとの舞台は本当に素晴らしい経験でした。

Q:それほど突然の舞台でも、コスチュームはできていたのですね。

A:僕がレティシア・ガロニと踊るのは2〜3週間先のこととだったので、採寸が終わり、試着の段階で、まったく縫製されてなくって。エルヴェのTシャツは僕には大きすぎて・・・それでクチュールのアトリエがこの晩のために大急ぎで僕のコスチュームを用意してくれたんです。皆がその晩のためにフル回転という感じ・・・オーレリーもパーフェクトでしたよ。稽古にたちあってくれて、僕の言うことに耳を傾けてくれて、「大丈夫、上手くゆくわ」って安心させてくれました。彼女は経験があるので、僕も安心できました。この初日は本当に極端な状況だったけど、最高に快適だったといえます。

Q:レティシア・ガロニとの公演はどうでしたか。

A:僕と彼女は共に20代なので、オーレリーとの舞台とはまた別のもの。でも、こちらもとても興味深いものでした。彼女たちのセンシビリティは同じではないので、パ・ド・ドゥの物語は異なりました。まったく別の2つの旅でした。おかしかったのは、関係が逆になったことです。オーレリーは僕より年長で経験もあるので、彼女が僕をリードしてくれました。ベストポジションのためにオーレリーが僕を自分の腕に導くというような感じだったのですが、レティシアとの時は逆に僕が彼女をリードする立場となったんです。

Q:エトワール・ダンサーがパートナーというのは、『トリアード』でレティシア・プジョルが最初ですね。

A:はい。それにラトマンスキーの『プシケ』でも彼女と一緒に踊りました。チャンスというか、偶然の一致というか、『プシケ』も予定外のことだったんですよ。マチュー・ガニオが降板したからなんです。彼の代理に僕かピエール・アルチュール(・ラヴォー)かということになったのですが、レティシアが『トトリアード』でも僕とすでに経験済みということもあって、僕になりました。そのほうが初顔合わせより効果的ですからね。毎回、こうしてチャンスが巡ってくる訳です。エトワールのパートナーということでいえば、さっきも話したように、『ダフニスとクロエ』でアマンディーヌ・アルビッソンと踊ってますよ。

pari1503c_02.jpg 「プシケ」
photo Sébastien Mathé/Opéra national de Paris

Q:あなたのパートナーとして彼女は少し大きすぎるような感じがします。

A:確かに少し大きいですね。でも、彼女と一緒に踊るのも、とても楽しいことでしたよ。僕より1つ年下で若くって、それに彼女ってあまり考え込むタイプではなく、するべきことに真っすぐに立ち向かうタイプなんです。僕を信頼してくれてるのが感じられ・・・身体が少し大きいということは問題ではありませんでした。良いパートナーというのは、信頼関係が築け、そしてフィーリングが合うことも大切ですね。以前、異なるセンシビリティの持ち主とパ・ド・ドゥを踊った時、同じことを感じられないので、難しかったことがあります。

Q:目下公演中の『大地の歌』ではレオノール・ボーラックがパートナーですね。

A:彼女とは昨年すでに『ダフニスとクロエ』でドゥミ・ソリストの役をいっしょに踊っています。素晴らしいパートナーですよ。僕たち仕事外でも気が合うし、それに彼女はとても才能があるので彼女と踊るのは楽なんです。僕たち芸術的に同じヴィジョンをもってるように感じるし、フィーリングも合うし・・・。

Q:『大地の歌』という作品を踊る喜びは何ですか。

A:創作を踊れるということが、まず1番の喜びですね。観客に何かを提案するということは、創作の重要な点ですから。そして僕たちダンサーにとっては、ジョン・ノイマイヤーのヴィジョンを形にし、彼のセンシビリティを踊るということ。またレティシア・プジョル、マチュー・ガニオ、フロリアン・マニュネ、カール・パケットといった人々と舞台上で共に時間を過ごせるというのも喜びです。この作品は、小さなグループが一丸となって蜜に仕事するという面があって、とても楽しいんです。

Q:ジョン・ノイマイヤーとの仕事は初めてですか。

A:いえ。過去に『椿姫』『マーラーの第三交響曲』を踊っています。でも、こうして創作に参加したのは初めてのこと。とても楽しかったですよ。ジョンって意外にもけっこうなユーモアの持ち主で、それもあってクリエーション過程は毎日とても良い雰囲気でしたね。今日は何が待ってるんだろう、って、楽しみにリハーサル・スタジオに通いました。彼は全精力を注ぐという感じに、アシスタントと一緒に自ら動きをみせてくれて・・・とても時間をかけた創作でした。言葉でもたくさん説明してくれたんですよ。例えば、「僕はこう考えたんだ。というのも、頭の中にこんなイメージがあって・・」というように。僕たちにはどんな作品になるのかがわからないのだから大切なことですよね、こうしたことって。

pari1503c_03.jpg 「大地の歌」
photo Ann Ray/Opéra national de Parissg

Q:あなたのダンスに彼の振付は合うものですか。

A:いえ、この『大地の歌』についていえば、僕のセンシビリティというわけではありません。
これ、『椿姫』よりは『マーラーの第三交響曲』に近いですよね。僕が楽に感じられるスタイルではありません。でも、それが面白いことなんです、チャレンジをすることになって。自分の身体が本能的に動いてしまうものではないので、そこには追求が生まれますから。

Q:重心を身体の下におく動きが多いようですね。

A:そうなんです。飛んだり、回転したりといった派手なパフォーマンスではないけど、すごく難しい。支点、重心という点で、すごいコントロールが必要なんです。僕は5番目の歌で、5分くらいのソロがあります(注・第二キャスト)。ジョンとこの部分をヴァンサン・シャイエ(注・第一キャスト)も一緒にクリエートしたんです。セバスチャン・ベルトー、ファビアン・レヴィヨンもいて・・・。ジョンは僕たちに「君ならどうする ? 」という感じに提案を求めるんですが、何かをしてみせると「ウイ、でも、むしろこうなんだ」というように彼がパを示してみせて・・・彼の頭の中には、自分が欲してるもののヴィジョンがしっかりとありましたね。

Q:公演後は、疲労と喜びのどちらが大きいですか。

A:両方・・・いや喜びのほうが少し大きいかな。なぜって小さなグループが一緒に舞台で踊る感じは楽しいし、また、出演者が少人数なので観客は僕たちダンサーを一人一人よく見ることができるし・・・。さらに舞台上にはオペラ歌手もいるのですからね。このマーラーの音楽は本当に素晴らしくって、毎晩うっとりしています。第二キャストの日は、舞台でソロを披露できるチャンスがあって・・喜びですね。

pari1503c_04.jpg 「ダフニスとクロエ」
photo Agathe Poupeney/Opéra national de Paris

Q:『ダフニスとクロエ』では主役のダフニス、準主役のドルコンの両方を踊ったのですね。

A:そうです。相反する2つの役を踊りました。ドルコンはちょっと血気盛んでダークな面のある若者だけど、ダフニスは落ち着きがあって静かで、夢見てるような面がある。ダンサーはテクニックをみせるだけでなく、役を演じることも仕事の楽しみにしてるもの。こうした2つの役を踊れたのは、楽しかったですね。ダンサーのキャリアにおいて、今自分は過渡期にきているって感じているんです。
成長したんだから、密度の濃い役を踊りたいという欲があって、この『ダフニスとクロエ』において、推移を実行できたと思っています。ドルコン役のときのパートナーはレオノール・ボーラックで、ダフニスの時はアマンディーヌ・アルビッソンでした。二人とも全くタイプの異なるダンサーですが、楽しく仕事ができました。この作品ではコール・ド・バレエも踊ってるので、男性ダンサーとしてすべてを体験できたことになります。これってラッキーなことですよね。でも、僕もある程度の年齢に至ったので、そろそろソリスト役に集中したいという気持ちはあります。

Q:昨年のコンクールでは、プルミエ・ダンスールに空席が1つありながら、スジェの誰も上がれなという結果でしたね。フラストレーションを感じませんでしたか。

A:最初この結果を知って、僕たち、怒りやフラストレーションを感じたのは確かです。なぜなのか理解できない・・・。コンクールって特殊なものなんですよ。公演でもなく、ガラで踊るのとも違う。ジャッジされる場なんです。雰囲気も特別なものがあります。参加するダンサー間には友情があり、連帯感があるんです。コンクールに至る1か月はとても辛い時期ですが、これはとっても大きな救いとなります。スジェとプルミエ・ダンスールというのは全く別の仕事です。スジェは役につくチャンスもあるけど、コール・ド・バレエに配されます。ところがプルミエになれば、もうコール・ド・バレエはしないんです。それこそが僕の夢。この賭け・・・それゆえに、昨年のコンクールでは一種のプレッシャーがありました。1席あって、自分でなくても誰かが上がれば、例えばフロリモンとか、それなら上がった人、上がれなかった人がいて、6順位もつくのですが、今回は何もなし。こうした状況って難しいですよね。だから最初は怒りや、それに悲しみがありました。

Q:自由曲を踊り終え、自分ではどのように感じていましたか。

pari1503c_05.jpg コンクールより
photo Sébastien Mathé/ Opéra national de Paris

A:僕自身良い手応えを感じたし、周囲の反応も良かったんです。今回はコーチにも恵まれたんですよ。エルヴェ(・モロー)が稽古をみてくれて、それからオードリック(・ブザール)、マリー・アニエス(・ジロ)も・・素晴らしいでしょう。すごくラッキーでした。で、コンクールの後、審査員のところに話を聞きに行ったんです。なぜこういう結果となったのかを知りたくって・・・。でも、終わったことは終わったことなので、やりなおせません。だから前進するしかないので、再びバーに戻り、そして、今に至っています。日々を生きて、という感じ。でも、ミルピエ監督の就任によって新しい展望が開けて・・・。

Q:新芸術監督が来て、どんな変化を感じていますか。


A:今のところまだブリジット(・ルフェーヴル前監督)の作ったプログラムなので彼女の好みが感じられます。9月の新シーズンに彼のプログラムが始まったら、いろいろと感じることは多いでしょうね。

Q:日常的にはどうですか。

A:彼はクラスレッスンも見に来るし、自分でもレッスンするし、とても僕たちに身近なところにいます。これによって、僕たちは新しい気持ちになることができ、彼も未知のダンサーを知ることができる機会となっていいですね。彼、すごく好奇心が旺盛なんですよ。

Q:監督就任以前からミルピエとあなたは親しい関係にあるのでしたね。

A:他のダンサーとちがって、ずいぶん以前から彼は僕を知ってるので特別な関係といえますね。『トリアード』を踊った時からなので、2008年からかな・・・。ダンサー4名だけが踊る作品なので、この創作時は、とても緊密な関係が毎日続きました。そして彼が『アモヴェオ』を創り替える際、パリに来る時間がないので、僕を含め3名がアメリカの彼の元に行きました。2週間アメリカン・バレエ・シアターやニューヨーク・シティ・バレエのダンサーたちと仕事をしたんですよ。だから、彼は僕の踊り方、動き方、役の解釈法などすべてを熟知してるわけですけど、これは僕にとって難しさでもあるんですよ。というのも、リニューアルしなければならないから。このすでに築かれた関係に甘んじていないで、彼を驚かせ続けなければと思っています。新しい僕を見せたい。だから日常的にチャレンジを続けるわけです。彼からの信頼に答えなければならない・・・毎回彼がチャレンジを僕に課すたびに、彼の信頼を失う訳にはいかず、彼を失望させたくもないので、成し遂げるしか僕には道はないんです。

Q:新監督がつくった来シーズンのプログラムを見て、どう思いましたか。

A:とても興奮しています。来期、多くのことを発見したいという気にさせられます。こうして音楽家、アーティストたちと多くの出会いがあるプログラムは、過渡期にある僕の期待に答えてくれるものです。創作がたくさんあって・・・フォーサイスやシェルカウイのようにすでに彼らの振付を知ってるにしても、クリエーションというのは新しい視点が生まれます。そして『ジゼル』『ロメオとジュリエット』といった伝統的作品もあって・・・オペラ座には不可欠ですね。こうした作品に僕たちは強いのだから、公演しなければもったいない。良いプログラムだと思ってます。新しい出会いという点で、クリストファー・ウィールドンやジュスティン・ペック・・・・彼らの作品が踊れたらうれしいですね。

Q:来期に限らず、いつか踊ってみたいという作品はありますか。


A:絶対踊りたい!と夢見ているのは、『ジゼル』のアルブレヒトなんです。これは小さいときからの夢。初めて見た時から、心を奪われていて・・・この役には何かがあるんです。ジュネーヴ・ツアーでマチアス(・エイマン)の舞台をみて、彼とは仲好しでよく知ってるのですけど、彼が踊るアルブレヒトにはすっかり動転させられて・・ますますこの役を踊りたいって思いましたね。来期ここで公演があるけど・・・たとえオペラ座で踊れなくても、他所できっと踊る機会があるでしょう。
 
Q:プリンス役を踊ることには興味がありますか。

A:はい。最近ますますそう思うようになっています。『白鳥の湖』『ロメオとジュリエット』、それに『パキータ』だって。というのも、これらの作品ではすでに他の役を踊っていて、プリンスだけをまだ踊れていないからなんです。それにもうじき30歳になるので、こうした役に必要な成熟を備えてると思うので。以前だったら若すぎたと思うけど、今、まさに良い年齢にきてると感じてます。それは身体的な点でもいえますね。

Q:ガラに参加することは多いのですか。

A:入団当時、かなりたくさんのガラに参加したけど、最近はあまり・・。オペラ座での仕事に集中していたいので。何しろここで、同時に複数の仕事をしてることがけっこう多くって。ガラには参加したくないというのではありません。オペラ座での目的があるので、あまり注意散漫になりたくないんです。

Q:時間があるときはクレージー・ホースによく行くと何年か前にいっていましたね。

A:その当時、仲好しがクレージー・ホースで踊っていたからです。今はラスベガスのシルク・ド・ソレイユで仕事をしてるので、この夏は会いにゆくつもり。僕のオペラ座の外の友だちは、こうしたショービジネスの世界で働く人が多いので、ミュージカルとかにとっても興味があるんです。ショーのクリエーションのミーティングに参加することもあって、ダンスだけでなく、照明、マネージメント、コレオグラフィ・・・すべてが興味深い。

Q:オペラ座を辞めた後の仕事について、何か考えていますか。

A:背中を手術して、1年くらい休んだ時期が会ったんです。4年くらい前かな。踊るのを辞めるしかないのか、とか・・・でも、考えだしたら、もう終わり、という気がして考えないことにしたんです。
舞台に戻るしかないという方向に自分で自分を持ってゆきました。今、建築やインテリアに興味と情熱をもっているけれど、それは先のこと。サプライズで満たされてるのが人生なので、この先、どんな出会いやプロジェクトが待ってるのかわかりません。だから扉を開いてまっている、という感じです。

Q:『大地の歌』の後は何に配役されていますか。

 A:『パキータ』、それから『リーズの結婚』です。『パキータ』ではイニゴ役とパ・ド・トロワを踊ります。

Q:『ドン・キホーテ』のジタンのシェフやらイニゴ役・・けっこう悪役系ですね。


A:そうなんです。なぜだかわからないんだけど、でも、自分とまったく異なる人物を演じるのは面白いことなので楽しめます。イニゴ役はけっこう大きなチャレンジですね。僕、いろいろやってみたいんです。たとえ、あまり好きじゃなかったとか、何ももたらすものがなかった、という結果となっても、経験をするということによって自分を豊かにすることができますから。