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三光 洋 Text by Hiroshi Sanko 
[2008.10.10]

OPERA NATIONAL DE PARIS: LES ENFANTS DU PARADIS
パリオペラ座バレエ公演情報
ジョゼ・マルティネス振付『天井桟敷の人々』

 1945年、第二次世界大戦中にニースで撮影されたマルセル・カルネ監督の傑作映画、『天井桟敷の人々』が全二幕のバレエとして蘇る。天井桟敷は劇場の最上階にある客席のことで、劇場通の観客が顔を並べるだけに独特の雰囲気がある。
19世紀のパリにあった劇場街タンプル通り(通称「犯罪大通り」)の「フュナンビュル座」(綱渡り芸人座)が舞台。実在したパントマイム役者やシェーク スピア俳優、無頼詩人が登場し、かなわぬ恋と抑えられない嫉妬とが名セリフと最高の俳優たちによって描かれている。映画は第1部「犯罪大通り」、第2部 「白い男」の二部構成だ。今回、パリ国立オペラ座バレエ団のエトワールのジョゼ・マルティネスも二幕のバレエに振付けた。

 原作は3時間もの大作で、戦後フランスを代表する詩人ジャック・プレヴェールが脚本を書き、音楽はジョセフ・コスマが作曲した。マルティネスが振 付けた今回の作品では、パリ音楽院の元院長マルク・オリヴィエ・デュパンによるオリジナル音楽がパリ室内管弦楽団により演奏される。戦後フランスを代表す る名優ジャン・ルイ・バローが演じたパントマイム役者バティストは、マチュー・ガニオ、ステファン・ブイヨン、マティアス・エマンが踊る。独特の色気で日 本でも人気があったアルレッティが扮したヒロインのギャランスには、エレオノーラ・アバニャート、イザベル・シャラヴォラ、エヴ・グリンスタンが起用され る。衣装はエトワールのアニエス・ルテステュが手がける。
フランス人なら誰もが名セリフを覚えている映画史に残る不朽の名作がどのようなバレエとなって姿を現すかにパリの観客は注目している。

『天井桟敷の人々』の初日10月21日。
その他の公演日 10月23・24・25・27・29・30日 11月1・3・4・5・8日 上演時間 2時間15分(休憩含む)