ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Paris <パリ>: 最新の記事

From Paris <パリ>: 月別アーカイブ

斎藤 珠里 text by Julie Saito 
[2006.09.10]

Lifar/Malandain リファールへのオマージュとマランダンの新作

  10月9日~28日は、オペラ座の隆盛の礎を築いたセルジュ・リファールの代表作『白の組曲』と『レ・ミラージュ』、そしてティエリー・マランダンによる 世界初演作品『イカロスの飛翔』を組み合わせたプログラムが上演される。帝政ロシア時代の流れを汲む格調高いロマンティック・バレエと、斬新気鋭な試みが 予想できる新作。オペラ座が得意とする趣の異なるカップリングが何を意図するのか、ふたを開けてみないとわからない。

マランダンといえば、今年5月にビアリッツ・バレエ団を率いてシャイヨ劇場でベートーベン作曲『プロメテウスの創造物』にヒントを得た『創造物』を上演し たばかり。たくましくエネルギッシュなダンサーたちの肉体を用いて哲学的な題材や人間の原点に迫ろうとするマランダンが今回挑むのは、ギリシャ神話だ。

リファール「白の組曲」


 細工名人のダイダロスとその息子イカロスーー。王の怒りを買って高い塔に幽閉された親子は、脱出を試みるべく鳥の羽を集めて翼をつくる。父からイカロス への助言は「高く飛びすぎても低く飛びすぎても危険」。親子は見事に幽閉先から抜け出して空を飛ぶが、イカロスは父の忠告を忘れてしまう。有頂天になって 高く飛び上がっていくと、太陽の熱で翼の蝋が溶け出し、イカロスは大海原へ転落してしまうのだ。

 体操選手並みに鍛えられたビアリッツ・バレエ団のダンサーたちとは違い、オペラ座バレエ団のダンサーたちは無駄のない端正な体つきだ。マランダンが持ち味とする「人間としての存在感」を、オペラ座ダンサーたちがどう表現するのかが注目される。

『白の組曲』と『レ・ミラージュ』はリファールへのオマージュ(敬意)というだけあって、オペラ座エトワールやプルミエール・ダンスール(ダンスーズ)の 顔見世公演といえるほどのオール豪華版キャストで固めている。一方、マランダンの新作『イカロスの飛翔』についての公演情報は、以下のとおり。

音楽:アルフレッド・シュニトケの「ピアノと弦楽器のための協奏曲」。
 舞台美術・衣装:アラン・ラガルド
 照明:ジャン=クロード・アスキエ
 出演者:ノルヴェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール、メラニー・ユレル、バンジャマン・ペッシュ、ジェレミー・ベランガール、アレッシオ・カルボン
演奏:パリオペラ座管、ヴェロ・パーン指揮。

残席、予約そのほかの情報は、サイトhttp://www.operadeparis.fr/を参照のこと。